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- 顔色が悪い・動くと動悸や息切れがある(貧血)
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- 顔色が悪い・動くと動悸や息切れがある(貧血)
身体中に酸素を運ぶ、赤血球中のヘモグロビン(Hb)が不足した状態を「貧血」といいます。WHOの定義では、男性≦13.0g/dL、女性≦12.0g/dLです。
Hb8.0g/dL前後まで貧血が進むと、急に酸素必要量が増える時=動くと(労作時)、動悸や息切れが出現します。「顔色が悪い」と指摘されるのもこのころです。
貧血は平均赤血球容積(MCV)から原因を推定することができます。
小球性(≦80fL):鉄欠乏による場合が殆どですので、血清鉄、総鉄結合能、貯蔵鉄量を示すフェリチンを測定します。鉄欠乏が確認されれば、出血源の検索に進みます。消化管の悪性腫瘍をチェックする上部・下部消化管内視鏡はとくに重要です(原因は血液疾患ではありません)。
正球性(80-100fL):まず、網赤血球(出来立ての赤血球)数を測定します。網赤血球↓かつ白血球や血小板も減少している場合は骨髄穿刺検査を行います。腎性貧血では赤血球だけが減少しますので、腎機能検
査(尿素窒素、クレアチニン)、エリスロポエチンを調べます。
網赤血球↑なら溶血や出血を考えます。同時にハプトグロビン↓がみられれば溶血がありますので、原因の精査に進みます。
大球性(100fL≦):巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12 and/or葉酸の不足による貧血です。その他、アルコール多飲、甲状腺機能低下症、慢性肝疾患、骨髄異形成症候群等で大球性貧血を呈します。