A2
この「基準個体」とは、“健常者と思われるヒト”から一定の基準〔既往歴に悪性腫瘍や慢性(肝・腎)疾患などのある者、薬物(高血圧、糖尿病、脂質異常症など治療薬)の常用がある者、MBI が25以上喫煙歴がある、1合/日以上の飲酒があるなど〕で一次除外した残りの“真の健常者”ともいえるヒトです。そして、一次除外した基準値からさらに潜在異常値除去法により、潜在する病態での基準値を除去することで基準範囲設定値を最適化します。
この潜在異常値除去法は、基本となる検査(総蛋白、アルブミン、尿素窒素、血糖、AST・ALTなどの酵素、コレステロールなどの脂質)が異常値である個体を除外する方法です。なお、このように最適化した基準個体からの検査値の多くは正規分布(図のような左右対称の釣鐘状)ではないので、Box-Coxべき乗変換法により正規分布として、基準範囲を求めます。