小児の検査値について[ラボ NO.436(2015.5.発行)より] | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
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検査値異常の判断法

小児の検査値について[ラボ NO.436(2015.5.発行)より]

生まれてすぐに赤ちゃんのビリルビンが高い値でした

生まれてすぐに赤ちゃんのビリルビンが高い値でした

赤ん坊は母親のお腹の中にいるときは、へその緒から酸素を受け取っています。このため大気中よりも低い酸素濃度を上手に使えるタイプの赤血球を使っています。お母さんのお腹から出てくると、肺で直接大気中の酸素を取り込めるようになるため、大人と同じ赤血球に作り替えています。このとき大量に古い血液を壊しているため、代謝物であるビリルビンが増加してしまいます。
大人では、肝臓の悪い人や溶血が起きる疾患などで黄疸が認められるときに高くなる検査値ですが、生まれてすぐの赤ちゃんでは、みな高めの値になっています。度を越して高くなると、新生児では未熟な脳にビリルビンが沈着して、発育障害を起こす核黄疸と呼ばれる病気を起こしてしまいます。
光線療法はこのときに有効な治療法です。

ALP(アルカリフォスファターゼ)が高い値でした

ALP(アルカリフォスファターゼ)が高い値でした

ALPは骨や肝臓、腎臓、小腸などに多く含まれている酵素です。大人では、骨折や骨の病気、肝臓、胆道の疾患で高い値を示す検査値です。子どもでは、大人の基準値と比べると平均で4倍も高い値を示していることがあります。これは、子どもの体が大人の体になるために、骨も大きく伸びて成長しているからです。このとき、骨での新陳代謝が亢進しているため、ALPが高くなっています。
乳幼児期と10歳前後が最も高く、その後は急速に成人の検査値に近づきます。

溶血の影響とはなんですか?

溶血の影響とはなんですか?

子どもの血管は細く、また採血するときにじっとしていることができないため、暴れたり、時間が掛かったり、少量しか取れないなど、採血が難しいことがあります。このようなとき、採血している間に赤血球が壊れてしまい、その中に豊富に含まれているLDH、AST、K(カリウム)などの成分が、高い値として測定されてしまうことがあります。
LDHやASTは肝臓の悪い人で、Kは腎臓の悪い人などで高くなりやすい検査値ですが、3つとも高くなっているときには、このような採血時の溶血の影響があることがあります。大人でも採取しにくい人では同じように高くなってしまうことがあります。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。