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1血小板の働き
血液の中には、白血球、赤血球、血小板という 3 種類の血球があって、それぞれが大切な働きをしています。体の中に侵入してきた病原体と戦って体を守ってくれる白血球、肺から取り入れた酸素を体の隅々まで運ぶ赤血球、血を止める働きをする血小板です。血を止めるためには、出血した所で血液が凝固しなければなりません。今回は、凝固の主役である血小板についてのお話です。
2ビリルビンが高値だとどうなるの?
血液中のビリルビンが上昇すると黄疸が出ます。白目が黄色くなったり、皮膚が黄色から黄褐色になったり、場合によっては強い痒みをともないます。
3どういう病気で異常値になるの?
①間接ビリルビンが高値の場合
ビリルビンの生成異常や、肝臓での処理(グルクロン酸抱合)の異常により高値となります。主な病態として赤血球の異常な破壊が起こる溶血性貧血、ビリルビン抱合異常である体質性黄疸があります。
②直接ビリルビンが高値の場合
先ほど述べたように、肝臓で処理されたあと、胆汁中にうまく排出できない病態で上昇します。他の胆道系酵素である ALP やγ GT も同時に上昇することが多いです。肝細胞が障害された急性・慢性の肝炎や薬物による肝障害で上昇します。また、肝臓から出たあとの胆管に何らかの胆汁流出障害を引き起こす病態があっても上昇します。胆石症(とくに総胆管結石症)や、胆管がんや膵頭部がんで著明に上昇します。胃がんや大腸がんのリンパ節転移にともなう胆管への圧排でも急速に直接ビリルビン値が上昇し、強い黄疸が出て初めて進行したがんが発見されることもあります。
4ビリルビン値が高値と言われたら
異常な貧血が起こっていたり、肝臓の病気が起こっている可能性があるため、早めに内科を受診しましょう。肝臓や胆管・膵臓の病気の有無を調べるために腹部超音波検査や腹部CTを行い、さらにMRI 検査や、がんが疑われる場合には、入院して膵管や胆管の精査である造影検 査(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)といった精密検査が必要となる場合があります。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。