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年齢と基準範囲:貧血関連[ラボ NO.440(2015.9.発行)より]

貧血って、めまいが起きてクラクラすることですか?

貧血って、めまいが起きてクラクラすることですか?

急にめまいがしたり、クラクラしたり、ふーっと気が遠くなったりしたときに、よく「貧血がきた」といいますよね。でもこれは医学的な「貧血」ではなく、多くは一時的な低血圧のために脳の血液循環が悪くなった場合で、通称、脳貧血と呼ばれます。
医学的な「貧血」とは、血液中にあるヘモグロビン(酸素を運搬する蛋白質)の濃度が、健康な人に比べてうすくなった状態のことをいいます。もちろん貧血が進行すると、顔色が悪くなったり、先ほど述べた脳貧血症状が出やすくなったりします。

貧血の検査はどんな検査ですか?どんなことがわかりますか?

貧血の検査はどんな検査ですか?どんなことがわかりますか?

通常2mL程度の採血を行い、一定血液量中のヘモグロビン濃度、赤血球数、ヘマトクリット(血液中に占める赤血球の体積比率)を測定します。これらの組み合わせから貧血の有無・程度、さらに貧血の原因を絞り込むことができます。
多くの場合、同時に白血球数や血小板数も調べるので、それらが多い病気や少ない病気などが偶然見つかることもあります。明らかに貧血がある場合は、精密検査によって原因を突き止めることが重要です。

年齢によって貧血の判定基準は違うのですか?

年齢によって貧血の判定基準は違うのですか?

表1は世界保健機関(WHO)による貧血の基準で、ヘモグロビン濃度を用いており、年齢による違いや男女差があります。ヘモグロビン濃度は、新生児では分娩のときに血液が濃縮されて高めになりますが、それ以降、小児期は成人よりもやや低めです。成人では男女差があり、月経のある女性や妊婦では男性よりも低めで、また高齢者では低めの人が多いという実態を反映しています。
わが国における基準範囲は、施設によって若干のばらつきがありますが、貧血の判断はおおむねWHO基準にのっとってよいと考えられます。

逆に多血症もあるのですか?

逆に多血症もあるのですか?

一定血液量中のヘモグロビン濃度、赤血球数、ヘマトクリットが基準範囲を大幅に超えている場合は、多血症(赤血球増加症)を考えます(たとえばヘモグロビン濃度が成人男性で>18.5 g/dL、成人女性で>16.5 g/dL)。貧血に比べてかなり稀ですが、これには放置して支障のないものから、一種の造血器腫瘍まで含まれており、精密検査の対象となることがあります。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。