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「AST、ALT」の検査について[ラボ NO.416(2013.9.発行)より]

AST、ALTとは?

AST、ALTとは?

ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼaspartate aminotransferase、ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼalanine aminotransferaseの略で、 ともに体内でアミノ酸やα-ケト酸という物質の変化を触媒する酵素です。 通常の健康診断で行われる血液検査では必ずといっていいほど測定され、肝臓病を示す指標として利用されています。

AST、ALTが異常値となるときは?

AST、ALTが異常値となるときは?

その働きは別として、AST、ALTともに肝臓に豊富に存在することが知られています。肝臓がウイルスや薬剤、アルコールなど種々の原因により障害を受けると、肝臓は壊れて(正確には肝臓の細胞が変性、壊死を起こし)、そこに豊富に存在していたAST、ALTは循環血液中に流れ出します。一方、元々AST、ALTは血液中には少量しか含まれていません。このため、採血した血液中にAST、ALTが多く含まれている場合、まず、肝臓の障害により血液中に流れ出てきた可能性が考えられます。AST、ALTが肝臓病の指標として使われるゆえんです。とくに肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、障害が強い場合以外は、自覚症状がないことも珍しくありません。このため、症状に乏しい段階の肝臓病を見つけ出すためにAST、ALTは威力を発揮するといえます。
なおLDは、病気でなくとも運動によって上昇することが知られています。また採血の際に、何らかの原因で赤血球が試験管内で壊れたときにも上昇します。
なお、AST、ALT、とくにASTは筋肉にも豊富に多く存在します。このため、筋肉の障害でも血液中のAST、ALTの値は上昇します。つまり、血液中のAST、ALTが異常値でも、必ずしも肝臓病ばかりを示すわけではありません。

AST、ALTが異常値とわかったら?

AST、ALTが異常値とわかったら?

注意していただきたいことは、AST、ALTが異常値となり肝臓病が疑われる場合も、AST、ALTの値のみからは、例えばウイルスやアルコールといった原因を突き止めることはできないということです。このため、AST、ALTが異常値の場合、肝臓病の原因検索として、ウイルスの存在などが調べられます。
また、一般に肝臓病が一過性で、短期間でよくなるような場合は、原因にもよりますが、大きな問題とならないことがほとんどです。健康診断などで、AST、ALTが異常値となった場合、まず、肝臓病の専門医へご相談されることをおすすめしますが、病気の行方は、その原因や障害がどれくらい続くかによります。このため、AST、ALTが異常値でも「しばらく様子を見ましょう」といった指示がある場合もあります。AST、ALTが異常値でも心配な状態ばかりではないということです。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。