冬季と夏季の検査値の違いについて[ラボ NO.443(2015.12.発行)より] | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
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検査値異常の判断法

冬季と夏季の検査値の違いについて[ラボ NO.443(2015.12.発行)より]

臨床検査の測定値は変動(変化)する?

臨床検査の測定値は変動(変化)する?

臨床検査にはいろいろな検査がありますが、全身状態や状況が変化することで検査結果(測定値)は変動します。もちろん病気の影響によって測定値が大きく変動するようになるために、病気の診断や治療効果の判断ができるわけです。一方で、病気でなくても検査の測定値が変動することが知られています。その原因には、周囲の温度変化(環境)、採血前の姿勢や運動の影響、採血するタイミング(朝、夜など)があります。このため採血を受ける場合には、安静の状態でいつも同じ時間に検査するようにして、食前もしくは食後などの条件をできるかぎり一定にすることが望ましいと考えられます。

季節によって、影響を受ける検査の測定項目は?

季節によって、影響を受ける検査の測定項目は?

さまざまな検査項目が季節により影響を受けると考えられていますが、なかでもよく知られている項目は血圧やコレステロール値です。冬には、血圧や脂質が上昇する傾向があり、反対に夏には低下する傾向があります。これは、寒さによる交感神経の働きの活性化、気温による食事の好みの影響、基礎代謝や運動量の変化など、いろいろな原因が推測されています。この季節による検査値の上昇により、脳卒中や心筋梗塞などの心血管性疾患が起こりやすくなるのではないかと疑われて、研究や解析などが行われています。しかし、病気の発症には生活習慣や、年齢、性別、遺伝的な原因などの個人差などが複合的に影響しているため、季節性の変化のみを過大に心配する必要はありません。

では、検査値の変化にどう対応したらよいのでしょうか?

では、検査値の変化にどう対応したらよいのでしょうか?

季節の影響などの環境要因は避けることはできませんが、受診や採血の前の食事や運動などに気を配り、検査に明らかに直接影響あるものを控えることは大変重要です。また、日内変動と呼ばれる覚醒睡眠のリズムにより、一日の中で変動する体内の変化も血圧や検査に影響するため、いつも同じ測定条件となるように血圧測定・受診して採血を受けるようにしてください。
適切に検査を受けたにもかかわらず検査値が異常の場合には、まず肥満や過度の飲酒や喫煙などの嗜好品、不適切な生活習慣などを見直す必要があります。健康管理をせずにこの状態を放置すると、健康を害することも少なくありません。季節的な変動にとらわれず、いつでも検査値が適正となるように、常日頃からバランスのよい規則正しい食事や適切な運動、健康的な生活を心がけましょう。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。