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「呼吸機能検査」について[ラボ NO.433(2015.2.発行)より]

呼吸機能検査で何がわかるの?

呼吸機能検査で何がわかるの?

肺の機能を調べる検査です。肺の病気が考えられるとき、その診断や重症度、治療効果を調べるのに役立ちます。全身麻酔で手術の予定があるときにも行われます。肺の機能が低下しているときは、麻酔法や手術の内容を変更することもあります。とくに咳や痰が続く人や喫煙者では肺の病気が隠れていることがあるので、検査を受けることをおすすめします。

どんな検査ですか?

どんな検査ですか??

呼吸機能検査は、最大限の努力で息を吐いたり吸ったりする検査です。スパイロメータという機器を使って、鼻をクリップでつまみ、マウスピースをくわえて測定します。担当のスタッフが呼吸の仕方を指示してくれるので、言われたとおりに力いっぱい呼吸をすれば大丈夫です。

年をとると肺活量は減るのですか?

年をとると肺活量は減るのですか?

「肺活量」とは、口から吐いたり吸ったりできる最大空気量のことです。男性は女性より多く、背が高いほど、また大人の場合年が若いほど多いことがわかっています。つまり、大人は、年とともに「肺活量」は少しずつ減少していきます。ですから、「肺活量」をみただけでは、平均より多いのか少ないのかはわかりません。評価のために、身長と年齢を代入して予測肺活量(平均的な値)を計算する標準回帰式(男女別)を使います。予測肺活量と比較して、多いか少ないかを判断します。「肺活量」が予測肺活量の80%未満の場合は「肺活量」が少ないと評価します。

肺年齢とはなんですか?

肺年齢とはなんですか?

呼吸機能検査には「一秒量」という指標があります。息を最大限に吸ったところから最初の1秒間に吐き出すことができる空気量のことです。慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease: COPD)や気管支喘息の人は「一秒量」が低下します。「肺活量」の少ない人も「一秒量」が低下します。「肺年齢」とは、男女別の一秒量標準回帰式に、身長と測定で得られた一秒量を代入して計算される年齢のことです。すなわち、「一秒量」が少ない人は「肺年齢」が実年齢を上回ります。同性・同年代と比べて自分の肺の健康状態を把握するためのわかりやすい指標として、日本呼吸器学会によって「肺年齢」が提唱されました。「肺年齢」が実年齢を大きく上回っている人は、早めに医師に相談することをおすすめします。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。