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CRP(C-反応性たんぱく)は、体内での急激な炎症が起こると血液中に増えるたんぱく質です。外傷や病気による組織の損傷でも上昇します。炎症の早期診断や、炎症の程度、その経過を調べるために測定されます。
炎症は、体になんらかの有害な刺激を受けたときに起こる反応です。炎症が生じるとその部位には、赤みを帯びる(発赤) 、腫れ(腫脹)、熱を持つ(熱感)、痛み(疼痛)を感じるようになります。 これを炎症の4徴候と呼びます(その部位の機能障害を加えて5徴候ということもあります) 。この反応は、体の防御反応の一部で不可欠なもので、体内での免疫反応などの結果、痛みの出現、血管の拡張や血管透過性亢進(血漿成分や白血球の遊走)により起こります。
ただし炎症反応が、過剰で必要以上に強い場合や、持続する場合には生体に悪影響をもたらすこともあります。炎症には、急激に起きる急性炎症と、炎症が持続する慢性炎症に分けられます。
感染症や膠原病などの炎症性疾患、外傷や手術、疾患を起因とする組織損傷の存在などが疑われます。体内に炎症が起きたときには早期に上昇して、炎症が治まると比較的早期に減少します。このため、数値により炎症の程度を推定でき、治療効果の判定にも用いることができます。近年では、高感度に測定する方法も行われており、動脈硬化などの慢性炎症や新生児感染症の予知マーカーなどに有用であるとの報告があります。
数値が上昇してCRPが高値であれば、なんらかの炎症が起こっているということです。この原因について、さらに詳しく調べる必要があります。CRPは、全身性の炎症を測定しているので、どの臓器、部位にあるかはこの検査だけでは明らかにできません。その原因について把握するためには、問診や診察、他の検査から総合的に判定する必要があります。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。