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血液には、白血球、赤血球、血小板という3種類の血球がいます。白血球は体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体をやっつける働きをします。赤血球は酸素を運び、血小板は出血を止めます。白血球は好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球という5種類の細胞に分けられます。好中球は細菌を丸ごと食べます。リンパ球は病原体を壊すミサイルである免疫グロブリンという蛋白をつくったり、免疫の司令塔として働きます。
血液1マイクロリットル(1ccの1/1,000)に、およそ3,500~9,000個の白血球がいます。このうちの約4~7割が好中球、2~5割がリンパ球、1割弱が単球、1~5%が好酸球、0~1%が好塩基球です。これらの比率を白血球分画といいます。なお、分画が測定されていても異常がなければ、健康診断の報告書には、これらの比率は記載されないことが多いようです。
採血した日に熱はありませんでしたか?のどで細菌が炎症を起こしたり、虫歯で歯肉が腫れていたりすると好中球が増えます。風邪などのウイルス感染では、白血球数は通常は基準範囲内かやや減りますが、ウイルスによってはリンパ球が増えることもあります。健康な人でもヘビースモーカーは白血球数が慢性的に多めですし、精神的ストレス、運動直後、月経などでも一時的に多くなることがあります。喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がある人は好酸球が増加します。
白血球数の著しい増加や明らかな分画異常がある場合には、白血病などの可能性もありえますので、血液内科の受診が指示されます。特に、白血球数が数万にも増え、かつ、赤血球と血小板が著しく減っている場合には、直ちに受診する必要があります。
白血球数が3,000に達していなくても、分画に異常がなく、毎年同じような数値であり、特に症状がなければ、通常は問題はありません。白血球数が著しく減っている、明らかな分画異常がある、少しずつ減り続けている、赤血球と血小板も減っている、のいずれかに当てはまれば、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの血液疾患の可能性がありえますので、血液内科の受診が指示されます。血液疾患以外でも、肝硬変、膠原病、ビタミンB12欠乏を含む栄養不良などによって3血球(白血球、赤血球、血小板)が減ることがあります。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。