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この3つの検査は、それぞれ尿の中に蛋白、血液、糖(ブドウ糖)が出ているかどうかを調べる検査で、通常試験紙によって同時に行われます。クリニック・病院に受診したとき以外にも、尿蛋白、尿糖は学校や職場での定期健康診断や特定健康診査で必ず検査され、尿潜血も健康診断でよく行われています。また、この3つの項目は薬局で購入できる尿試験紙でも検査ができます。ただし、陽性となる病気は少し異なるのでそれぞれ別々に述べていきます。
尿に蛋白が出ている、とよくいわれますが、試験紙での尿検査で尿蛋白が陽性の場合、その大部分は腎臓に原因があり、腎炎などの病気がある可能性があります。ただし、健康な人でも運動後や発熱しているときなどに一時的に出ることもあります。また、子供では立っているときには蛋白が出るが、横になっているときには出ない起立性蛋白尿もかなり多く見られます。
それでも尿に蛋白が出ているときは再検査が必要で、持続的に出ている場合、蛋白尿の程度が強い(2+以上)場合は腎臓の病気が強く疑われるので、精密検査が必要となります。
これは尿に血液が混ざっているということになりますので、尿が作られてから排尿されるまでの通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに病気がある可能性があります(ただし、女性の場合生理時にはその血液が混入することもあります)。
自覚症状がなく、肉眼で見てもわからない程度の血尿(顕微鏡的血尿といいます)の場合は、原因疾患がはっきりしない場合もありますが、高齢の方の場合は膀胱癌など悪性の病気の可能性もあり、また蛋白とともに陽性の場合は腎炎の可能性も高いので、健康診断などで尿潜血が陽性の場合はぜひ再検査を受けてください。
現在は、尿糖として検査されるのはほとんどの場合ブドウ糖を指します。尿に出てくるブドウ糖は血液中に存在していたものです。腎臓では、血液から尿を作る過程で尿にブドウ糖を出さないようにする仕組みがあるのですが、糖尿病などで血糖(血液中のブドウ糖)がすごく高くなると、出さないようにする能力を超えてしまうため、尿にブドウ糖が出てくるようになってしまいます。そのため尿糖が陽性の場合には、まず糖尿病を考えることになります。ただし、血糖は食事の前後で大きく変わるため、尿糖の検査が陰性であっても、糖尿病でないとは言えません。また、血糖がそれほど高くなくとも、尿にブドウ糖を出さない仕組みが十分でないため、尿糖が陽性となることがあります(これを腎性糖尿といいます)。
いずれにしても尿糖が陽性の場合は血糖、 あるいは糖尿病の検査として近年よく行われるHbA1cを検査する必要があります。