「B型肝炎とC型肝炎」の検査について[ラボ NO.406(2012.11.発行)より] | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
  1. HOME
  2. 一般の方へ
  3. 「B型肝炎とC型肝炎」の検査について[ラボ NO.406(2012.11.発行)より]

一般の方へ

Guests

よく受ける検査

「B型肝炎とC型肝炎」の検査について[ラボ NO.406(2012.11.発行)より]

B型肝炎とC型肝炎とはどのような病気ですか?

B型肝炎とC型肝炎とはどのような病気ですか?

人類の進化は15万年前までアフリカ中央部で続いていたようですが、B型肝炎ウイルス(HBV)の祖先も、その頃には人類とチンパンジーに人畜共通感染していた可能性があります。その後、人類の移動や先々の類人猿からHBVが世界に広がったと考えられます。
一方、C型肝炎ウイルス(HCV)が人類に感染するようになったのは、せいぜい19世紀からのことのようで、日本には江戸時代に入ってきたようです。血液を介して感染することから、戦争とともに爆発的に感染者を増やしています。日本では第二次世界大戦、アメリカではベトナム戦争です。1980年代の終わりに、ようやくHCVとして発見され、その検査法が開発されました。
ともに、慢性肝炎、肝硬変と進行して、肝癌を発症する病気ですが、B型肝炎では時に劇症肝炎という致死率の高い肝障害を急性発症することがあります。

それぞれの検査法は?

それぞれの検査法は?

ウイルス性肝炎の中でB型肝炎やC型肝炎が怖いのは、症状がなく、知らないうちに最終段階まで進んでしまう病気だからです。血液中の抗原(ウイルス関連蛋白質)の存在、あるいはウイルス関連抗体(ウイルスの構造蛋白などに生体が反応してできた免疫グロブリン)の発現などで診断します。
まずスクリーニングですが、HBs抗原が陽性であれば、HBVに感染していることの証明になり、HCV抗体が陽性であれば、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染していることになります。

最近の治療法と検査の関係は?

最近の治療法と検査の関係は?

C型肝炎は、インターフェロンとプロテアーゼ阻害剤の組み合わせで、駆除が可能な感染症になってきています。一方、B型肝炎も10年ほど前から核酸アナログ製剤が実用化され、かなりコントロールできるようになってきました。
しかし、RNAウイルスであるHCVに比較し、HBVはDNAウイルスで、核内に二本鎖DNAで存在し、時に宿主の遺伝子内に入り込むため、完全に抑え込むことはいまだ難しい状況です。新たな治療薬の開発も必要ですし、細胞内のHBVの増減を知るための新規検査法の開発も必要です。

慢性B型肝炎・慢性C型肝炎は性行為感染症なのでしょうか?

慢性B型肝炎・慢性C型肝炎は性行為感染症なのでしょうか?

1972年にHBs抗原検査が導入され、1985年にはワクチンが日本でも認可されたため、HBVの主たる感染経路である母子感染はほとんどなくなっています。HCVも献血時の検査で、輸血による感染はなくなっています。
しかし、現在新たな問題が持ち上がってきました。世の中のグローバル化とともに、今まで日本で広がっていたHBVとは異なったタイプのHBVが、若者を中心に広がりはじめたのです。つまり、ヨーロッパを中心に存在したHBVの遺伝子型AeというタイプのHBVが、性行為感染という経路で、急速に日本で広がっているのです。
このタイプは日本に多い遺伝子型BjやCと異なり、大人で感染しても約10%が慢性肝炎に移行しますので、せっかく減少してきていたHBV感染者が再び増加する可能性が出てきました。さらに、同様の理由から、HBV、HCVとエイズウイルスの重感染事例が日本でも潜行しながら増加しています。
慢性B型肝炎もC型肝炎も放置しておくと将来肝臓癌になる可能性のある病気です。きちんと検査を受け、感染していてもあわてずに、専門機関で診てもらうことが大切です。