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1総蛋白とは何ですか?
血液から赤血球などの血球成分を除いたものを血清といいます。血清にはアルブミンやグロブリンなど、多くの種類の蛋白質が含まれており、それらの総量が総蛋白です。血液検査では、総蛋白と一緒にアルブミンも測定されることが多いです。
2アルブミンについて教えてください。
総蛋白に含まれる蛋白質のうち、約6割をアルブミン、約2割をグロブリンが占めています。アルブミンは肝臓で作られます。食事で摂取した蛋白質が消化・分解されアミノ酸となり、肝臓へ運ばれ肝臓で合成されます。アルブミンの働きは、血液中の浸透圧を調節し、体内の水分バランスを維持したり、脂肪やビタミンなどの栄養素を運んだりしています。総蛋白やアルブミンの値や、両者の値を使って計算する A/G 比などから、栄養状態の把握や、何か病気がありそうかわかることがあります。
3総蛋白やアルブミンが異常値となるのはどんな時ですか?
総蛋白が高い場合には、慢性の炎症や、脱水症、稀ですが多発性骨髄腫などの血液疾患等の可能性があります。脱水症の場合には、総蛋白だけでなくアルブミンも高値となることが多いです。逆に低い場合には、栄養不良や消化器疾患、肝硬変など肝臓の働きが落ちた状態、腎臓の病気でアルブミンが大量に尿から出て行ってしまっている状態 ( ネフローゼ症候群 ) などが考えられます。アルブミンが低い場合には、血管の外に水分が漏れ出て手足などがむくむこともあります。
4様子を見てもいいですか?
異常の程度にもよりますが、これまで指摘されたことがなかったのであれば、治療が必要な病気が隠れている可能性がありますので、ぜひ精密検査を受けることをおすすめします。高齢者や虚弱体質、偏食の方では、栄養が十分摂れていないためにアルブミンが低値となっている可能性もあります。低栄養を放置すると、フレイルという健康を脅かす状態になる可能性もあります。精密検査で異常がなかったとしても、この機会に、ご自身の食生活や運動習慣の見直しと、改善のための行動を一歩踏み出していただけるといいと思います。フレイルと栄養については、QR コードから情報にアクセスできます。参考にしてください。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。