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平成 30 年 6 月より保険適用 | D007 血液化学検査 区分:E3(新項目) |
オートタキシン |
保険点数 | 194 点 |
製品名 | E テスト「TOSOH」®Ⅱ(オートタキシン) |
製造販売元 | 東ソー株式会社 |
主な対象 | 慢性肝炎及び肝硬変(疑われる患者を含む) |
主な測定目的 | 血清中のオートタキシンの測定(肝臓の線維化進展の診断の補助) |
測定方法 | サンドイッチ法を用いた EIA 法(FEIA 法) |
検 体 | 血清 |
有 用 性 | 慢性肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患における肝臓の線維化ステージを非侵襲的に診断することで、線維化進展の診断、モニタリング、投薬含め治療法への反映などに寄与する。 |
説 明 | 肝線維化は肝がん発生のリスクファクターであり、線維化の進行とともに肝癌発生率が上昇することが知られているため、肝線維化のステージを把握することは慢性肝疾患の治療上重要であるとされている。肝線維化の診断には肝生検がゴールドスタンダードであるが、生体侵襲性が問題であり、非侵襲的な検査として、超音波エラストグラフィーによる肝硬度測定や各種血液マーカーが用いられているが、種々の生理的要因や炎症など他疾患の影響を受けることが報告されている。 オートタキシンは、脂肪組織を中心に多くの組織で産生され肝臓で代謝される脂質分解酵素(リゾホスホリパーゼ Dの 1 種)であり、肝臓の類洞内皮細胞に取り込まれ代謝される。慢性肝炎や肝硬変に起因する肝臓の線維化により、このクリアランスが低下して血液中の濃度が上昇するため、オートタキシン濃度が肝線維化ステージを反映することが判明しており、特に新犬山分類の F1(門脈域の線維性拡大)、F2(線維性架橋形成)といった肝線維化の早期段階から血液中濃度が上昇するため、従来のマーカーより線維化早期で高い鑑別能を有することが明らかとなった。 オートタキシン濃度は、腎臓病、糖尿病などの生活習慣病や運動、食事などの生理的要因による濃度変動がなく、肝線維化特異的な診断を可能とすることが報告されている。ただし、性差があるため測定値の評価は男女別に行なう必要があること、妊娠(胎盤からの産生)、および悪性リンパ腫(腫瘍細胞からの産生)において濃度が上昇すること、またステロイドの投与により濃度が低下することに注意する必要がある。 本試薬は、測定機器として全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA シリーズを用い、微量の血清検体を用いて迅速(約 20 分)かつ精度良く測定することが可能である。血清検体の安定性が高く、臨床検査現場での取り扱いも容易である。 算定条件は、本検査と区分番号「D007」血液化学検査「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)、「38」のⅣ型コラーゲン、「40」のⅣ型コラーゲン・7S、「44」のヒアルロン酸又は「48」の Mac-2 結合蛋白糖鎖修飾異性体を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。 |
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