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新規保険収載検査

SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出 アプティマ SARS-CoV-2

令和 2年 8月18日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分 E1(既存項目)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
アプティマ SARS-CoV-2
保険点数 検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合:1800 点
それ以外の場合:1350 点
製品名 アプティマ SARS-CoV-2
製造販売元 ホロジックジャパン株式会社
使用目的 生体試料中のSARS-CoV-2 RNAの検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)
測定方法 ターゲットキャプチャー法による核酸抽出、TMA法による核酸増幅、DKA法(Dual Kinetic Assay)による核酸検出
検 体 検査に用いる検体については、国立感染症研究所の「2019-nCoV(新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル」を参照すること。
有 用 性 本品は、SARS-CoV-2に特異的な遺伝子配列を検出することにより、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断の補助を目的とした核酸増幅検出検査キットであり、Transcription-mediated amplification法(TMA法)の核酸増幅原理に基づいている。検出にはSARS-CoV-2に特異的なopen reading flame 1ab(ORF1ab)の2つの保存領域の二重の標的領域を検出することにより、当該部位の一方に変異が生じたとしてもSARS-CoV-2を安定して検出が可能である。
SARS-CoV-2遺伝子検出において、現在使用可能な検査には、核酸抽出工程の操作が別途に必要である製品が多く、さらに採取された検体からのRNA抽出操作においては熟練した検査実施者による操作技術が求められている。本品の特徴はSARS-CoV-2の検出において、他の一般的な核酸増幅検査(PCR法等)で必要となる煩雑なRNA抽出作業が検査機器内で完全自動化されていることである。これにより、核酸増幅検査の性能を担保しつつ他の検体の交差汚染及び検査実施者の感染リスクを低減させながらのSARS-CoV-2検査実施が可能となる。国立感染症研究所より配布された陽性、陰性検体を含む臨床検体(25例)を用いて感染研の病原体検出マニュアルに基づく方法と本品を比較した結果、陽性一致率および陰性一致率はいずれも100 %であった。
説 明 人への感染症を引き起こすコロナウイルスは、これまでに6種類が知られていた。その中で、2002年に中華人民共和国広東省に端を発したSARS(重症急性呼吸器症候群)の原因ウイルスであるSARS-CoVおよび2012年に中東で始まったMERS(中東呼吸器症候群)の原因ウイルスMERS-CoV以外は、感染しても深刻な呼吸器疾患を引き起こすが重度でなく通常の風邪などの症状にとどまるとされていた1)。
しかし、2019年12月に中華人民共和国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が発生していることが報告され、その後、WHOは、2020年1月5日に中国当局が新種のコロナウイルスを発見したことを報告した2)。
この新規のコロナウイルスの正式名称は2020年2月11日に国際ウイルス分類委員会によりSARS-CoV-2と命名された。
SARS-CoV-2を原因ウイルスとした肺炎である新型コロナウイルス感染症/肺炎の正式名称はCOVID-19(coronavirusdisease 2019)と定められた。SARS-CoV-2はコロナウイルスの中ではSARS-CoVと同じベータコロナウイルスという亜属に分類される3)。ヒトへの感染性の鍵となる受容体結合遺伝子領域の構造は、SARS-CoVの構造と非常によく似ており、ヒトへの細胞侵入にはSARS-CoVと同じACE-2受容体を使用することが示唆されている。
このSARS-CoV-2を原因ウイルスとする肺炎であるCOVID-19は初発であった中国以外の国にも広がり、中国国外では最初にタイで報告されて以降急速に世界中へ広まり2020年3月11日にはWHOはパンデミックを宣言した4)。日本国内では、1例目の症例が2020年1月16日付の厚生労働省発表として確認され5)その後には感染経緯不明のヒト-ヒト間感染の報告も為された6)。2020年2月1日にはSARS-CoV-2を原因ウイルスとする肺炎であるCOVID-19は指定感 染症及び検疫感染症に指定され、3月13日には「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正法が成立し、COVID-19に適用されることとなった。現在も政府主導での感染拡大防止の対策が進んでいる。
承認条件 1.承認時のデータが極めて限られていることから、製造販売後に臨床性能を評価可能な適切な試験を実施すること。
2.製造販売後に実保存条件での安定性試験を実施すること。
留意事項 SARS-CoV-2核酸検出は、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」に記載されたもの若しくはそれに準じたもの又は体外診断用医薬品のうち、使用目的又は効果として、SARS-CoV-2 の検出(COVID-19 の診断又は診断の補助)を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19 の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19 の診断を目的として行った場合又はCOVID-19 の治療を目的として入院している者に対し退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合に限り算定できる。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。なお、検査に用いる検体については、国立感染症研究所が作成した「2019-nCoV(新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル」を参照すること。
採取した検体を、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス2013-2014版」に記載されたカテゴリーB の感染性物質の規定に従って、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合は、本区分の「14」SARSコロナウイルス核酸検出の所定点数4回分を合算した点数を準用して算定し、それ以外の場合は、同点数3回分を合算した点数を準用して算定する。なお、採取した検体を、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合は、検査を実施した施設名を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19 以外の診断がつかず、本検査を再度実施した場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
COVID-19 の治療を目的として入院している者に対し、退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」(令和2年5月29日健感発0529 第1号)の「第1退院に関する基準」に基づいて実施した場合に限り、1回の検査につき上記のように合算した点数を算定する。なお、検査を実施した日時及びその結果を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
参考文献 1)国立感染症研究所「コロナウイルスとは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html(アクセス日2020年8月26日)
2)WHO “Pneumonia of unknown cause ? China”
https://www.who.int/csr/don/05-january-2020-pneumonia-of-unkown-cause-china/en/(アクセス日2020年8月26日)
3)Zhu N, Zhang D, Wang W, et al. A Novel Coronavirus from Patients with Pneumonia in China, 2019. NEngl J Med 2020; 382: 727-33.
4)WHO statement on novel coronavirus inThailand
https://www.who.int/news-room/detail/13-01-2020-who-statement-on-novel-coronavirus-in-thailand(アクセス日2020年8月26日)
5)厚生労働省 報道発表資料「 新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について(1例目)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08906.html(アクセス日2020年8月26日)
6)国立感染症研究所 IASR「国内初の新型コロナウイルスのヒト―ヒト感染事例」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/coronavirus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/9425-481p02.html(アクセス日2020年8月26日)
製品ページURL https://hologic.co.jp/products/diagnostics/aptima_sars_cov-2.html
文責:ホロジックジャパン株式会社/監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会

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