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新規保険収載検査

D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目) A群β溶血連鎖球菌核酸検出 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・インフルエンザ・RS ウイルス核酸同時検出

令和 5年 8月1日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
A群β溶血連鎖球菌核酸検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
A群β溶血連鎖球菌核酸検出
ID NOW(TM)ストレップA2
保険点数 204点
製品名 ID NOW(TM)ストレップA2
製造販売元 アボット ダイアグノスティクス メディカル株式会社
使用目的 咽頭ぬぐい液中のA群ベータ溶血連鎖球菌核酸の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助)
検 体 咽頭ぬぐい液
測定原理 本品は、検体抽出液を含むサンプルカートリッジ、凍結乾燥試薬を含む密封された2つの反応チューブからなるテストカートリッジから構成され、専用機器(ID NOWインスツルメント)を使用してA群ベータ溶血連鎖球菌のDNAの検出を行う。
テストカートリッジの2本の反応チューブには、それぞれA群ベータ溶血連鎖球菌のcepA(cell envelope proteinase A)遺伝子の標的配列の増幅に必要な試薬が含まれており、一方には内部コントロールが含まれている。
本品の核酸増幅は、等温核酸増幅法の1つであるNEAR(Nicking Enzyme Amplification Reaction)法を測定原理としている。本法では標的配列を挟むような2つのテンプレート(本法では一般的にプライマーと呼ばれる核酸複製時の起点となるオリゴヌクレオチドのことをテンプレートと表現する)を使用する。テンプレートには2本鎖を安定化する安定化領域、ニッキングエンドヌクレアーゼ(切断酵素)結合・切断部位、標的配列に相補的な領域(認識領域)の3つが存在する。安定化領域と切断酵素認識・切断部位は標的に相補的な配列は持たない。
2本鎖DNAを、切断酵素とDNAポリメラーゼによる鎖を置換しながらのDNA伸⾧の作用により、適切な1本鎖DNAを生成する。1本鎖DNAの標的配列へのテンプレートの結合、dNTPsを基質としたDNAポリメラーゼによる標的配列の伸⾧、切断酵素による片鎖の切断、また鎖を置換しながらのDNA伸⾧により、まず標的配列を含み、両末端に安定化領域、切断酵素認識・切断部位が付加された2本鎖生成物Amplification Duplexが得られる。切断酵素がこのAmplification Duplexの切断酵素切断部位の片鎖を切断し、その部分を起点にして、DNA ポリメラーゼが既にある相補鎖を乖離させながら、dNTPsを基質として相補的配列を伸⾧させることで、標的領域を含む特異的生成物が増幅する。この切断、および伸⾧は一定温度で繰り返し行われ、結果として特異的生成物は幾何級数的に増幅する。核酸増幅の検出には、モレキュラービーコンを使用している。モレキュラービーコンはヘアピンループ構造をもつ一本鎖DNA 配列であるが、増幅された標的配列へ結合することで、DNAの両末端に結合した蛍光物質と消光物質の距離が物理的に乖離し、蛍光シグナルが発せられる。そして、反応液中の蛍光強度が専用機器で経時的に計測されることにより、サンプル中のA群ベータ溶血連鎖球菌の標的配列が検出され、判定結果が専用機器(ID NOW(TM) インスツルメント)の画面に表示される。尚、本品は定性検出キットであり、定量測定目的に開発されたものではない。
臨床的意義 A群ベータ溶血連鎖球菌は、健康なヒトの咽頭や消化管、表皮にも生息する常在細菌の一種であるが、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの多彩な臨床症状の起因菌にもなりうる、学童期にみられる咽頭・扁桃炎の主要な原因菌である。本邦では小児の急性咽頭炎の約17%、成人では約30%程度にA群溶血連鎖球菌が検出されているが、乳幼児で は比較的稀である1)。咽頭炎の多くはウイルス性であるが、A群ベータ溶血連鎖球菌による咽頭炎の場合は抗菌薬治療の対象となる。症状の緩和だけでなく、A群ベータ溶血連鎖球菌咽頭炎の重篤な合併症であるリウマチ熱、急性糸球体腎炎等を予防するため、早期の正確な診断による鑑別が重要である。
本品は、咽頭ぬぐい液より等温核酸増幅法の1つであるNEAR(Nicking Enzyme Amplification Reaction)法を用いてA 群ベータ溶血連鎖球菌を迅速に検出する核酸検査である。本品の国内臨床性能試験においては、基準とする咽頭培養に対し本品の陽性一致率は98.7%(培養法陽性、本品陰性の1例はPCR法で陽性)、陰性一致率は88.4%(培養法陰性、本品陽性の13例のうち、10例はPCR法陽性、3例は陰性)を示した。本品はA群ベータ溶血連鎖球菌咽頭炎の疑いのある患者の臨床診断において、検査結果が得られるまで数日を要する咽頭培養と遜色ない検査結果を6分以内で迅速に提供する。
留意事項 (38) A群β溶血連鎖球菌核酸検出
A群β溶血連鎖球菌核酸検出は、15歳未満のA群β溶血連鎖球菌感染が疑われる患者に対し、等温核酸増幅法により測定し、当日中に結果を説明した場合に本区分「3」淋菌核酸検出を準用して算出できる。なお、本検査と区分番号「D012」感染症免疫学的検査「18」のA群β溶連菌迅速試験定性又は区分番号「D018」細菌培養同定検査を同時に実施した場合は、主たるもののみ算定する。
参考文献 1)Bjornson C, Russell K, Vandermeer B, et al. Nebulized epinephrine for croup in children. The Cochrane database of systematic reviews. 2013; doi: 10.1002/14651858.
製品関連URL https://www.globalpointofcare.abbott/jp/ja/product-details/id-now-strep-a-2.html
文責:アボット ダイアグノスティクス メディカル株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザ・RS ウイルス核酸同時検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザ・RS ウイルス核酸同時検出
TaqPath SARS-CoV2 & Flu & RSVリアルタイムPCR検出キット
保険点数 700点
製品名 TaqPath SARS-CoV2 & Flu&RSVリアルタイムPCR検出キット
製造販売元 ライフテクノロジーズジャパン株式会社
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液中のSARS-CoV-2RNA、A型及びB型インフルエンザウイルスRNA、並びにRSウイルスRNAの検出(SARS-CoV-2感染、インフルエンザウイルス感染又はRSウイルス感染の診断補助)
測定方法 リアルタイムPCR法
説 明 本品は、マルチプレックスリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR Reverse Transcript-Polymerase Chain Reaction)法により、鼻咽頭ぬぐい液中のSARS-CoV-2、A型及びB型インフルエンザウイルス(Flu A、Flu B)RNA、並びにA型及びB型RSウイルス(RSV-A、RSV-B)のゲノミックRNAを同時検出することで、SARS-CoV-2感染、インフルエンザウイルス感染又はRSウイルス感染の診断補助を行う検査キットです。
臨床性能試験の概要 鼻咽頭ぬぐい液検体を用いた本品と既承認品(PCR法)との相関性を検討したところ以下の結果を得ました。
SARS-CoV-2:陽性一致率94.37%(67/71)、陰性一致率100%(126/126)、全体一致率97.97%(193/197)
Flu A/B:陽性一致率98.72%(77/78)、陰性一致率98.13%(157/160)、全体一致率98.32%(234/238)
RSV-A/B:陽性一致率92.59%(77/81)、陰性一致率96.82%(152/157)、全体一致率95.38%(227/238)
留意事項 ア.SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出は、COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し、SARS-CoV-2、インフルエンザウイルス及びRSウイルスの核酸検出を目的として薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いて、PCR法(定性)により、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2、インフルエンザウイルス及びRSウイルスの核酸検出を同時に行った場合に、検査の委託の有無にかかわらず、本区分の「10」HPV核酸検出の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。なお、採取した検体を、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託により実施する場合は、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス2013-2014版」に記載されたカテゴリーBの感染性物質の規定に従うこと。
イ.COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかず、本検査を再度実施した場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ.COVID-19の治療を目的として入院している者に対し、退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」(令和3年2月25日健感発0225第1号)の「第1退院に関する基準」に基づいて実施した場合に限り、1回の検査につき上記のように合算した点数を算定する。なお、検査を実施した日時及びその結果を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
エ.SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出を実施した場合、本区分「13」のインフルエンザ核酸検出、SARS-CoV-2核酸検出、SARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出、SARS-CoV-2・RSウイルス核酸同時検出及びウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2 を含む。)については、別に算定できない。
オ.本検査を算定するに当たっては、本区分の「10」の「注」に定める規定は適用しない。
文責:ライフテクノロジーズジャパン株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会

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