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新規保険収載検査

D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性) D012 感染症免疫学的検査(59)区分:E3(新項目) 糞便中カンピロバクター抗原(定性)

令和 5年 5月12日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
カネカ イムノクロマトFlu A/B & SARS-CoV-2 Ag
保険点数 420点
製品名 カネカ イムノクロマトFlu A/B & SARS-CoV-2 Ag
製造販売元 株式会社カネカ
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助)
測定方法 イムノクロマト法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液
測定原理 「カネカ イムノクロマト Flu A/B & SARS-CoV-2 Ag」(以下、本品)はイムノクロマトグラフィー法を測定原理として、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のA型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原及びSARS-CoV-2抗原を検出するキットです。
本品のテストデバイスは、試料滴下部、抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子、抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子及び抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子を含むコンジュゲートパッド、抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)、抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(ウサギ)及び抗マウスIgGポリクローナル抗体を固定化した展開部、吸収パッドから構成されます。
本品によるA型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原及びSARS-CoV-2抗原の検出は、試料滴下部に検体を添加することにより開始されます。検体中にA型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原又はSARS-CoV-2抗原が含まれる場合、それぞれコンジュゲートパッド中の抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子、抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子又は抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子と反応し、複合体を形成します。これらの複合体はメンブレン上を毛細管現象により移動し、メンブレンに固相化された抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)、抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)又は抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(ウサギ)にそれぞれ捕捉され、判定領域に赤色のテストラインを形成します。
テストラインを通過した抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子、抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子又は抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(マウス)標識金コロイド粒子は、テストラインと吸収パッドの間に固相化された抗マウスIgGポリクローナル抗体と結合することで赤色のコントロールラインが形成し、正常な測定の進行が確認できます。
説 明 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2によって引き起こされるウイルス性呼吸器疾患です。本疾患の症状は、発熱、倦怠感、咳など、インフルエンザウイルス感染と類似の症状を示すため、早期の鑑別が求められます。
本品は、特別な検査機器を必要とせず、簡便な検体処理により迅速に結果報告が可能であることから、SARS-CoV-2感染及びインフルエンザウイルス感染の診断の補助に有用であると考えられます。
臨床性能試験の概要 <A型インフルエンザウイルス>
LOD付近の濃度のA型インフルエンザウイルス(A/California/04/2009(H1N1)pdm09)の培養液をPCR法にて陰性が確認された鼻咽頭ぬぐい液及び鼻腔ぬぐい液に添加して、本品で試験した。A型インフルエンザウイルスの培養液を添加した検体はすべて本品での陽性が確認され、培養液を添加していない検体ではすべて陰性となりました。
<B型インフルエンザウイルス>
LOD付近の濃度のB型インフルエンザウイルス(B/Florida/4/2006)の培養液をPCR法にて陰性が確認された鼻咽頭ぬぐい液及び鼻腔ぬぐい液に添加して、本品で試験しました。B型インフルエンザウイルスの培養液を添加した検体はすべて本品での陽性が確認され、培養液を添加していない検体ではすべて陰性となりました。
<SARS-CoV-2>
以下の試験成績は、SARS-CoV-2検出に係る反応系に関与する成分・分量が同一である既承認品「カネカ イムノクロマト SARS-CoV-2 Ag」のデータより引用。
国内臨床保存検体163例(陽性59例、陰性104例)を用いて、既承認品と国立感染症研究所「病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver. 2.9.1」に記載されたRT-PCR法(N2セット)との比較試験を行った結果、陽性一致率:78.0%、陰性一致率:100%となり、全体一致率:92.0%となりました。陽性となった検体について、RT-PCR法(N2セット)で定量した試料中のウイルス量と既承認品の陽性一致率は103 copies/test以上の試料で90.2%(46/51)でした。
LOD付近の濃度のSARS-CoV-2(hCoV19/Japan/TY38-873P0/2021株)の培養液をRT-PCR法にて陰性が確認された鼻腔ぬぐい液に添加して、試験しました。培養ウイルスを添加した検体はすべて陽性が確認され、培養ウイルスを添加していない検体ではすべて陰性となりました。
留意事項 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2抗原及びインフルエンザウイルス抗原の検出を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に限り、「44」単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)を実施した場合、本区分「22」のインフルエンザウイルス抗原定性、SARS-CoV-2抗原検出(定性)及びSARS-CoV-2抗原検出(定量)については、別に算定できない。
製品ページURL https://www.kaneka-labtest.com/product/products_Flu_A_B_SARS_CoV_2_Ag.html
文責:株式会社カネカ/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 5年 4月1日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査(59)区分:E3(新項目)
糞便中カンピロバクター抗原(定性)
D012 感染症免疫学的検査(59)区分:E3(新項目)
糞便中カンピロバクター抗原(定性)
<2>クイックナビTM-カンピロ
保険点数 184点
製品名 クイックナビTM-カンピロ
製造販売元 デンカ株式会社
使用目的 糞便中のカンピロバクター抗原の検出(カンピロバクター感染の診断の補助)
有 用 性 本品は、糞便を検体としてイムノクロマト法によりカンピロバクター抗原を検出し、カンピロバクター感染の診断の補助に用いる体外診断用医薬品であり、15分ほどで判定が可能である。
測定方法 イムノクロマト法
検 体 自然に排泄された糞便(排泄便)
測定原理 試料をテストデバイスの試料滴加穴よりテストストリップのサンプルパッドに滴加すると、試料は毛細管現象によりコンジュゲートパッドへ移動します。そこで抗カンピロバクターモノクローナル抗体(マウス)結合ラテックスが溶解し、試料中のカンピロバクター抗原と免疫複合体を形成します。この免疫複合体はテストストリップのニトロセルロースメンブレン内を毛細管現象により移動し、テストライン上に固定化された抗カンピロバクターモノクローナル抗体(マウス)に特異的に捕捉され、青色のラインを呈します。このラインの有無を目視で確認し、試料中のカンピロバクター抗原の有無を判定します。また、反応に関与しなかった余剰の抗カンピロバクターモノクローナル抗体(マウス)結合ラテックスはコントロールラインに固定化された抗マウス免疫グロブリン(Igs)抗体(ウサギ)に捕捉され、青色のラインを呈します。これはテストストリップ上で反応が正常に進んだことを示します。
説 明 カンピロバクターは鞭毛を有し、コルクスクリュー様の活発な運動をするグラム陰性のらせん状桿菌です。カンピロバクター腸炎患者から分離される98%以上をCampylobacter jejuniとCampylobacter coliが占めています。感染経路のほとんどが未加熱あるいは加熱不十分な食用家禽類の肉あるいは内臓の摂食によります。主な症状は、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の細菌による感染性胃腸炎と酷似しますが、多くの患者は1週間ほどで治癒します。死亡例や重篤例はまれですが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性も あります。また、潜伏時間が一般に1~7日間とやや⾧いことが特徴です。
臨床的特⾧としてセフェム系抗菌薬に耐性があるため、カンピロバクターの感染を特定することは臨床診断において重要な意義を有します。
本品は、イムノクロマト法を用い、迅速かつ特異的にカンピロバクター抗原を検出するため、カンピロバクター感染の診断の補助に適用できます。
留意事項 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304 第1号)(令和5年4月1日改正)別添1第2章第3部第1節D012(59)糞便中カンピロバクター抗原(定性)は、カンピロバクター感染を疑う患者に対しイムノクロマト法により行った場合に本区分「38」肺炎球菌細胞壁抗原定性を準用して算定できる。
本品付属の検体浮遊液(糞便用)を使用した場合、検体が糞便(排泄便)であれば、クイックナビTM-ノロ2及びクイックナビTM-ノロ3と試料相互使用が可能です(試料ろ過フィルター(糞便用)はいずれの製品でも共通)。ただし、次の検体は、正常な反応とならず、正しい検査結果が得られないことがありますので使用しないでください。
・直腸から採取した糞便(直腸便)
・浣腸便
・嘔吐物(非糞便)
文献 1) 山崎伸二, 細菌性腸管感染症 カンピロバクター腸炎. 臨床と微生物 2013; 40: 135-140
2) 日本感染症学会 日本化学療法学会 編 : 抗菌薬使用のガイドライン:Ⅱ各論 Ⅱ-4-2(内科感染症)腸管感染症、129 (2009).
3) 立川 夏夫, 吉村 幸浩, 清水 恒広, その他. 腸炎を呈した患者に対する新規カンピロバクター抗原 迅速診断キットの評価. 感染症学雑誌 2017; 91: 145-150
4) Hirose Y, Akashi Y, Sun Y, et al.: Diagnostic performance of microscopic stool examination in Campylobacter infection performed by different medical specialties. J Gen Fam Med 2022; 24(2):102-9.
製品URL https://www.denka.co.jp/product/medical/detail_00336
文責:デンカ株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会

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