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臨床検査医の方へ

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新規保険収載検査

1.D004 穿刺液・採取液検査 区分:E3(新項目) 2.D001 尿中特殊物質定性定量検査 区分:E3(新項目) 3.D007 血液化学検査(55) 区分:E3(新規)

令和 5年 12月20日より保険適用 D004 穿刺液・採取液検査 区分:E3(新項目)
14 アミロイドβ42/40比(髄液)
1.D004 穿刺液・採取液検査 区分:E3(新項目)
14 アミロイドβ42/40比(髄液)
ルミパルス β-アミロイド1-42、ルミパルス β-アミロイド1-40
保険点数 1,282点
製品名(製造販売元) ルミパルス β-アミロイド1-42、ルミパルス β-アミロイド1-40
製造販売元 富士レビオ株式会社
使用目的 脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42及びβ-アミロイド1-40の測定(脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)
測定方法 化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)
検 体 脳脊髄液
有 用 性 β-アミロイド1-42は42残基のアミノ酸、βアミロイド1-40は40残基のアミノ酸からなるβアミロイドペプチドであり、ともにアルツハイマー病の脳組織学的特徴の老人班(アミロイド蓄積)と関連している。脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42とβ-アミロイド1-40の比は、アミロイドPET検査によるアミロイド蓄積量と強い相関を示し、脳内アミロイドβの蓄積を把握できるバイオマーカーとして有用である。
説 明 経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤であるエレンベセスタットの第Ⅲ相臨床試験で得られた脳脊髄液検体(MCI due to AD疑い184例、mild AD疑い12例、不明3例、うちアミロイドPET検査結果陰性116例、陽性83例の計199例)を用い、アミロイドPET検査との相関性について検討をした。ROC解析を行い、アミロイドβ42/40比値のカットオフを0.067とした場合のアミロイドβ42/40比とアミロイドPET検査の一致度の評価を行った結果、感度(陽性一致率)81.9%(68/83例)、特異度(陰性一致率)81.9%(95/116例)、全体一致率81.9%(163/199例)であった。アミロイドPET検査陰性、かつアミロイドβ42/40比陽性症例は21例あり、アミロイドPET検査陰性であった症例の18.1%(21/116例)に相当する。この不一致例の解釈としては、アミロイドβ42/40比では、より早期ステージのアルツハイマー病のアミロイド病理を検出したと考えることができる。アルツハイマー病は不可逆的に進行する疾患であり、治療介入は可能な限り早期に開始することで、より高い治療効果が期待され、早期診断・早期治療が重要であることが認知されている。そのため、アミロイドPET検査では検出することのできない早期のアルツハイマー病の病理変化を検出できる脳脊髄液検査は、アミロイドPET検査のみでは治療にアクセスできない、かつより高い治療効果が期待できる早期ステージのアルツハイマー病患者に治療の機会を提供し得る臨床的意義の高い検査であると考えられる。
留意事項 令和5年12月19日付け厚生労働省保険局医療課長発通知『保医発1219第5号』において、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)が改正され、令和5年12月20日適用により、本検査項目の保険請求が可能となった。以下に改正された留意事項(13)~(16)について記載する。
(13)アミロイドβ42/40 比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断する目的にアミロイドβ病理を示唆する所見を確認するため、CLEIA法により、脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42及びβ-アミロイド1-40を同時に測定した場合、本区分「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)2回分の所定点数を準用して患者1人につき1回に限り算定する。ただし、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与中止後に初回投与から18 か月を超えて再開する場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、本区分「14」のリン酸化タウ蛋白(髄液)と併せて行った場合は主たるもののみ算定し、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断するに当たり実施した、区分番号「E101-2」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層撮影、区分番号「E101-3」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影又は区分番号「E101-4」に規定するアミロイドPETイメージング製剤を用いたポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影については別に算定できない。
(14)アミロイドβ42/40比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、次のいずれにも該当する医師が常勤で複数名配置されている場合に算定する。
ア.認知症疾患に関する専門の知識並びに10年以上の軽度認知障害の診断及び認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験を有する常勤の医師であること。
イ.アミロイド関連画像異常の有無を判断した上で、臨床症状の有無と併せてレカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与継続、中断又は中止を判断し、必要な対応が可能な医師であること。
ウ.関連学会等が実施する磁気共鳴コンピューター断層撮影によるアミロイド関連画像異常の読影、アルツハイマー病の病態及び診断並びにレカネマブ(遺伝子組換え)製剤投与対象患者及びレカネマブ(遺伝子組換え)製剤による治療に関する研修を修了していること。
(15)アミロイドβ42/40 比(髄液)は、厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って、次のいずれにも該当する医療機関で行われた場合に算定する。
ア.認知症疾患医療センター又は認知症疾患医療センターと連携している施設であること。
イ.レカネマブ(遺伝子組換え)製剤を投与する患者について、初回投与時及び初回投与後に、当該患者の背景情報の把握並びに安全性及び有効性を評価するための調査を確実に実施できる施設であること。
(16)アミロイドβ42/40比(髄液)は、(14)及び(15)のいずれにも該当する医療機関と連携している施設で行われた場合であっても算定できる。
参考文献 1) Jack CR Jr, Knopman DS, Jagust WJ, et al. Hypothetical model of dynamic biomarkers of the Alzheimer's pathological cascade. Lancet Neurol 2010; 9(1): 119-28.
2) Janelidze S, Zetterberg H, Mattsson N, et al. CSF Aβ1-42/Aβ1-40 and Aβ1-42/Aβ1-38 ratios: better diagnostic markers of Alzheimer disease. Ann Clin Transl Neurol 2016; 3(3): 154-165.
3) Nojima H, Ito S, Kushida A, et al. Clinical utility of cerebrospinal fluid biomarkers measured by LUMIPULSE® system. Ann Clin Transl Neurol 2022; 9(12): 1898-1909.
製品情報URL https://www.fujirebio.co.jp/products-solutions/lumipulse_test/Neurological.html
文責:富士レビオ株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 6年 1月1日より保険適用 001 尿中特殊物質定性定量検査 区分:E3(新項目)
11 プロスタグランジンE主要代謝物(尿)
2.D001 尿中特殊物質定性定量検査 区分:E3(新項目)
11 プロスタグランジンE主要代謝物(尿)
ルミパルスプレスト PGE-MUM
保険点数 187点
製品名 ルミパルスプレスト PGE-MUM
製造販売元 富士レビオ株式会社
主な対象 潰瘍性大腸炎の患者の病態把握
主な測定目的 尿中のプロスタグランジンE主要代謝物の測定(潰瘍性大腸炎の病態把握の補助)
測定方法 化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)
検 体 尿
有 用 性 1) 内視鏡的活動性とPGE-MUM関して、潰瘍性大腸炎患者(138例)を対象に、内視鏡的寛解期群(Mayo内視鏡サブスコア:MES≦1)と活動期群(MES≧2)、についてROC解析を行ったところ、参考カットオフ値は23.6μg/g ・Cr、有病正診率72.5%、無病正診率73.6%、陽性的中率61.7%、陰性的中率82.1%、全体一致率73.2%であった。
2) 内視鏡的活動性および臨床的活動度とPGE-MUMについて、潰瘍性大腸炎患者(138例)を対象に、MES 0、MES 1、およびMES 2かつ臨床的活動度SCCAI≦2を寛解群とし、MES 2かつ臨床的活動度SCCAI≧3およびMES 3を活動群としてROC解析を行ったところ、参考カットオフ値は30.2μg/g ・Cr、有病正診率77.1%、無病正診率83.5%、陽性的中率61.4%、陰性的中率91.5%、全体一致率81.9%であった。
3) 臨床的活動性とPGE-MUMに関して、潰瘍性大腸炎患者(138例)を対象に、臨床的寛解期群(SCCAI≦2)と活動期群(SCCAI≧3)についてROC解析を行ったところ、参考カットオフ値は30.2μg/g ・Cr、有病正診率 72.2%、無病正診率 82.4%、陽性的中率59.1%、陰性的中率89.4%、全体一致率79.7%であった。
説 明 国の指定難病である潰瘍性大腸炎は近年国内においても患者数が急激に増加している。しかしながら、潰瘍性大腸炎の検査において一般的に行われる大腸内視鏡検査などは侵襲性が高く、患者への負担が大きい。そのため尿検査など患者負担が少ない検査が求められている。
プロスタグランジンE2(PGE2)は、炎症の促進・抑制に関わる主要なメディエーターである。炎症巣ではリン脂質からアラキドン酸を経てPGE2が産生される。PGE2は速やかに代謝され、主に尿中にPGE-MUM(Prostaglandin E-major urinary metabolite)として排出されるため、PGE-MUMの量は全身的なPGE2産生量を反映すると考えられる。炎症性腸疾患のひとつである潰瘍性大腸炎において、これまでにPGE-MUM測定の意義が報告された1-4)。PGE-MUM濃度の測定は、潰瘍性大腸炎の病態把握を行う上で補助的な手段として用いることができる。
留意事項 1) プロスタグランジンE主要代謝物(尿)は、潰瘍性大腸炎の患者の病態把握の補助を目的として、尿を検体とし、CLEIA法により測定した場合は、本区分の「8」アルブミン定量(尿)及び区分番号「D013」 肝炎ウイルス関連検査「3」HBs抗原、HBs抗体を合算した所定点数を準用して3月に1回を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から、本検査を1月に1回行う場合には、その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
2) 潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として、区分番号「D003」の「9」カルプロテクチン(糞便)、区分番号「D007」 血液化学検査の「57」ロイシンリッチα2グリコプロテイン又は区分番号「D313」大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。
参考資料 1) Fujiwara M, Okayasu I, Oritsu M, et al. Significant increase in prostaglandin E-main urinary metabolite by laxative administration comparison with ulcerative colitis. Digestion 2000; 61(3): 201-6.
2) Arai Y, Arihiro S, Matsuura T, et al. Prostaglandin E-major urinary metabolite as a reliable surrogate marker for mucosal inflammation in ulcerative colitis. Inflamm. Bowel Dis 2014; 20(7): 1208-16.
3) Hagiwara S, Okayasu I, Fujiwara M, et al. Prostaglandin E-major urinary metabolite as a biomarker for pediatric ulcerative colitis activity. J. Pediatr. Gastroenterol.J Pediatr Gastroenterol Nutr 2017; 64(6): 955-961.
4) 有廣誠二, 荒井吉則, 藤原睦憲, その他.潰瘍性大腸炎のモニタリングに適した迅速尿検査 : PGE-MUM.医学と薬学 2020; 77(3): 403-14.
製品関連URL https://www.fujirebio.co.jp/products-solutions/lumipulse_test/
文責:富士レビオ株式会社/ 監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 6年 1月1日より保険適用 D007 血液化学検査(55) 区分:E3(新規)
サイトケラチン18フラグメント(CK-18F)
3.D007 血液化学検査(55) 区分:E3(新規)
サイトケラチン18フラグメント(CK-18F)
イムニス サイトケラチン18F EIA
保険点数 194点
製品名 イムニス サイトケラチン18F EIA
製造販売元 株式会社特殊免疫研究所
使用目的 血清中のヒトサイトケラチン18フラグメント(CK-18F)濃度の測定(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)診断の補助)
測定方法 酵素免疫測定法(定量)
検 体 血清
有 用 性 本品は、カスパーゼによって切断されたCK-18Fを測定し、非侵襲的なNASHの診断補助を目的として使用できる。
測定原理 抗CK-18マウスモノクローナル抗体固相プレートにCK-18Fを含む検体を加え、HRP標識抗CK-18Fマウスモノクローナル抗体を添加すると、固相化抗CK-18抗体/CK-18F/酵素標識抗CK-18F抗体のサンドイッチ免疫複合体が形成される。洗浄後、酵素基質を添加すると、検体中のCK-18F量に応じて呈色反応が進行する。反応停止後吸光度を測定し、標準液で作成した検量線から検体中のCK-18Fの濃度を求める。
説 明 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、病態が進行するNASHとそれ以外の非アルコール性脂肪肝(NAFL)に分類される。NASHは、進行性で肝硬変や肝癌の発症母地にもなる。NASHの確定診断は肝生検によって行われるが、全てのNAFLD患者に侵襲的な肝生検を実施することは現実的ではなく、対象を絞り込むことが必要である。そのため、肝線維化指標等で肝線維化進展の可能性がある患者の絞り込みが行われている1)。
本品は、肝細胞のアポトーシスによって血中へ放出されるCK-18Fを測定する。CK-18F値は肝生検による組織学的スコアと相関し、NASH診断を確定するための肝生検を実施すべき患者の鑑別に有用とされている2)。本検査によってより効率よく肝生検を実施すべき患者を非侵襲的に絞り込むことが可能になる。
臨床性能試験の概要 NAFLD患者246例(NASH 185例、NAFL 61例)の血清検体について、本品によるCK-18F濃度と肝生検病理組織の組織学的評価(NASH/NAFL)とを比較検討した結果、CK-18F値の中央値は、NAFL群244.156 U/Lと比較して、NASH群507.695U/Lで有意に高値であった(p<1.31E-10)。
重みづけ設定をしたROC解析による本品のNASH診断における診断能はROC曲線下面積(AUROC)0.774で、カットオフ値を260 U/Lとした場合、感度82.7%、特異度57.4%、診断効率76.4%であった。
線維化指標であるFIB-4 indexのカットオフ値を1.3とした場合のNASH診断における診断能はAUROC 0.776、感度74.6%、特異度59.0%、診断効率70.7%で、本品と同等であったが、本品とFIB-4 indexと組み合わせた場合には、AUROC 0.859、感度95.7%、特異度31.1%、診断効率79.7%であった。
健康成人64例(男性47例、女性17例、年齢平均値27.5 歳)について、血清中のCK-18F値を測定し、95%信頼区間から算出した基準範囲は、36~205 U/Lであった。
留意事項 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日付け保医発0304第1号)別添1の第2章第3部第1節第1款D007に以下が追加された。
(55)サイトケラチン18フラグメント(CK-18F)
ア.サイトケラチン18フラグメント(CK-18F)は、1ステップのサンドイッチ法を用いた酵素免疫測定法により、非アルコール性脂肪肝疾患の患者(疑われる患者を含む。)に対して、非アルコール性脂肪性肝炎の診断補助を目的に実施した場合は、本区分の「48」オートタキシンを準用して算定する。
イ.本検査と「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)、「36」のⅣ型コラーゲン、「40」のⅣ型コラーゲン・7S、「43」のヒアルロン酸、「48」のMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体又は「48」のオートタキシンを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
参考資料 1)NAFLD/NASH診療ガイドライン2020: 日本消化器病学会, 日本肝臓学会編 2020.
2)Feldstein AE, Wieckowska A, Lopez AR, et al: Cytokeratin-18 fragment levels as noninvasive biomarkers for nonalcoholic steatohepatitis: A multicenter validation study. Hepatology 2009; 50(4): 1072-8.
製品関連URL https://www.tokumen.co.jp/antibody/ck-18f/
文責:株式会社特殊免疫研究所/監修:日本臨床検査医学会臨床保険診療委員会

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