1. HOME
  2. 臨床検査医の方へ
  3. 新規保険収載検査
  4. D012 感染症免疫学的検査 区分 E3(新項目) SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス抗原同時検出 D012染症免疫学的検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性) D023微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目) SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出

臨床検査医の方へ

TOPICS

新規保険収載検査

D012 感染症免疫学的検査 区分 E3(新項目) SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス抗原同時検出 D012染症免疫学的検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性) D023微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目) SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出

令和 4年 10月28日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査 区分 E3(新項目)
SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス抗原同時検出
D012 感染症免疫学的検査 区分 E3(新項目)
SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス抗原同時検出
イムノアロー(R)SARS-CoV-2&FluA/B&RSV
保険点数 420点
製品名 イムノアロー(R)SARS-CoV-2&FluA/B&RSV
製造販売元 東洋紡株式会社
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2 抗原、A型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原及びRSウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染、インフルエンザウイルス感染又はRSウイルス感染の診断の補助)
測定方法 免疫クロマトグラフ法を測定原理とするSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原及びRSウイルス抗原の検出を行う。反応カセット内のメンブレン上には、テストラインとしてSARS-CoV-2判定ライン発色部、A型インフルエンザウイルス判定ライン発色部、B型インフルエンザウイルス判定ライン発色部及びRSウイルス判定ライン発色部があり、検体希釈液で前処理した試液をテストデバイスの試料滴下部に滴下すると、サンプルパッドに吸収されたのち、コンジュゲートパッドに移動する。コンジュゲートパッド内部の各種抗体結合セルロース粒子が試液に溶解し、試料中の各種抗原と特異的に結合して複合体を形成します。形成された複合体はコンジュゲートパッドからメンブレンに移動し、メンブレン上に固定されたそれぞれの抗原を認識する抗体(捕捉抗体)に捕捉される。セルロース粒子は青色又は赤色を呈しているため、試料中にSARS-CoV-2抗原又はA型インフルエンザウイルス抗原が存在する場合はそれぞれの判定ライン発色部に青色のテストラインが、B型インフルエンザウイルス抗原又はRSウイルス抗原が存在する場合はそれぞれの判定ライン発色部に赤色のテストラインが形成されます。このテストラインを目視にて確認することでSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原、B型インフルエンザウイルス抗原又はRSウイルス抗原の有無を判定する。また、テストラインと吸収パッドの間のメンブレン上には検出抗体を認識する抗体が固定化されており、テストラインを通過した検出抗体がこの抗体と結合することで紫色のコントロールラインが形成されることで、正常な測定の進行を確認できる。
有 用 性 本品は、一度の鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液の採取から約15分で迅速なSARS-CoV-2、インフルエンザウイルス及びRSウイルス抗原の同時検出が可能である。
説 明 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2019年12月以来、日本国内において感染拡大と収束を繰り返している。
また、冬季に流行する季節性インフルエンザや乳幼児に多いRSウイルスは、臨床症状による共通点が多く、疾患の鑑別が難しいとされる。
留意事項 ア、 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス・RSウイルス抗原同時検出(定性)は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2 抗原、インフルエンザウイルス及びRSウイルス抗原の検出を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し COVID-19 の診断を目的として行った場合に限り、「44」単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
イ、 COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ、 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス・RSウイルス抗原同時検出(定性)を実施した場合、本区分「22」のインフルエンザウイルス抗原定性、「23」のRSウイルス抗原定性、SARS-CoV-2 抗原検出(定性)、SARS-CoV-2 抗原検出(定量)、SARS-CoV-2 ・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)及び SARS-CoV-2 ・RSウイルス抗原同時検出(定性)については、別に算定できない。
製品ページURL https://www.toyobo.co.jp/products/bio/poc/arrow_abcr/index.html
文責:東洋紡株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 5年 8月9日より保険適用 D012染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
D012染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
VトラストSARS-CoV-2+Flu Ag
保険点数 420点
製品名 VトラストSARS-CoV-2+Flu Ag
製造販売元 ニプロ株式会社
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断補助)
測定方法 イムノクロマト法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液
有 用 性 本キットは、特別な装置を必要とせず、簡易な操作により約15分でSARS-CoV-2、A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスを検出することができる。
測定原理 SARS-CoV-2抗原は、コンジュゲートパッドに含侵された赤色ラテックス標識SARS-CoV-2モノクローナル抗体(マウス)と複合体を形成し、テストライン(T)上に固相化された抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(マウス)によって捕捉され、赤色を呈す。このテストライン(T)の呈色の有無を目視によって確認し、検体中のSARS-CoV-2抗原の存在を判定する。
インフルエンザウイルス抗原は、コンジュゲートパッドに含侵された赤色ラテックス標識インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)と複合体を形成し、テストライン(A)上に固相化された抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)又はテストライン(B)上に固相化された抗B型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)によって捕捉され、赤色を呈す。このテストライン(A)又はテストライン(B)の呈色の有無を目視によって確認し、検体中のインフルエンザウイルス抗原の存在を判定する。
説 明 SARS-CoV-2は2019年12月に確認された新型コロナウイルスである。
SARS-CoV-2による感染症を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と呼び、主な症状として、発熱、呼吸器症状、倦怠感などがあり、頭痛、消化器症状、鼻汁、味覚異常、関節痛などの症状が出る場合もある。
インフルエンザは毎年季節的な流行が見られ、A型とB型に大別される。主な症状として突然の発熱、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、倦怠感などであり、発熱は2~4日間続く。
COVID-19と季節性インフルエンザウイルスを臨床症状のみで識別することは困難である。
本キットは鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液から特別な機器類を必要とせず、簡便な操作で迅速にSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原又はB型インフルエンザウイルス抗原の検出が可能であり、SARS-CoV-2感染及びインフルエンザの診断の補助に有用である。
臨床性能試験の概要 1)SARS-CoV-2
(1)国内臨床検体(鼻咽頭ぬぐい液)を用いてイムノクロマト法(既承認品)との相関性試験を行った結果は以下の通りであった。
陽性一致率:100%(48/48)
陰性一致率:97.3%(71/73)
全体一致率:98.3%(119/121)
(2)国内臨床検体(鼻腔ぬぐい液)を用いてイムノクロマト法(既承認品)との相関性試験を行った結果は以下の通りであった。
陽性一致率:100%(47/47)
陰性一致率:94.6%(70/74)
全体一致率:96.7%(117/121)
2)インフルエンザウイルス
(1)陰性鼻咽頭ぬぐい液へ不活化ウイルス抗原を添加した試験の陽性一致率および未添加の場合の陰性一致率は以下の通りであった。
A型インフルエンザ(添加量50 ng/mL):100%(20/20)
A型インフルエンザ(添加量20 ng/mL):100%(20/20)
A型インフルエンザ(添加量10 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量200 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量80 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量40 ng/mL):100%(20/20)
ウイルス抗原未添加:陰性一致率100%(20/20)
(2)陰性鼻腔ぬぐい液への不活化ウイルス抗原を添加した試験の陽性一致率および未添加の場合の陰性一致率は以下の通りであった。
A型インフルエンザ(添加量50 ng/mL):100%(20/20)
A型インフルエンザ(添加量20 ng/mL):100%(20/20)
A型インフルエンザ(添加量10 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量200 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量80 ng/mL):100%(20/20)
B型インフルエンザ(添加量40 ng/mL):100%(20/20)
ウイルス抗原未添加:陰性一致率100%(20/20)
留意事項 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2 抗原及びインフルエンザウイルス抗原の検出を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に限り、「44」単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
COVID-19 の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19 以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)を実施した場合、本区分「22」のインフルエンザウイルス抗原定性、SARS-CoV-2抗原検出(定性)及び SARS-CoV-2抗原検出(定量)については、別に算定できない。
製品URL https://x.gd/SARS_CoV_2FluAg
文責:ニプロ株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 5年 8月9日より保険適用 D023微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
D023微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
コバスSARS-CoV-2 Duo
保険点数 700点
製品名 コバスSARS-CoV-2 Duo
製造販売元 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
使用目的 生体試料中のSARS-CoV-2 RNAの検出(SARS-CoV-2 感染の診断補助)
測定方法 リアルタイムPCR法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液
説 明 本品は、全自動化された工程と高い検査処理能力を有し、リアルタイムRT-PCR法によりSARS-CoV-2 RNAを検出する体外診断用医薬品です。SARS-CoV-2特異的なORF1 a/b配列中の2か所の保存領域を標的部位として設計することで、信頼性の高い検出結果を提示します。他製品にはない利点として、SARS-CoV-2 RNA検出有無の定性検査結果に加えWHO Standardにより標準化されたIU/mL単位のウイルス量の定量結果が参考値として付属されます。
本品はコバス5800システム、コバス6800システム、コバス8800システム上で検出可能です。システムの特⾧として、核酸抽出から検出まで完全自動化されており、コバス5800システムでは8時間あたり144テスト、コバス6800システムでは8時間あたり384テスト、コバス8800システムでは8時間あたり960テストの検出が可能です。大量の検体を効率的に処理することができるため、検査需要に柔軟に対応することが期待されます。
臨床試験成績 呼吸器感染症が疑われる患者から採取した1,044検体(鼻咽頭ぬぐい液570検体及び鼻腔ぬぐい液474検体)を用いて、本品及び既承認品(リアルタイムPCR法)の相関性を評価したところ、鼻咽頭ぬぐい液では陽性一致率97.4%(95% CI:90.9-99.3%)、陰性一致率99.6%(95% CI:98.5-99.9%)、鼻腔ぬぐい液では陽性一致率97.7%(95% CI:87.9-99.6%)、陰性一致率98.6%(95% CI:97.0-99.4%)を示しました。
乖離11検体中10検体は本品又は既承認品の最小検出感度付近のCt 値を示し、境界域付近の検体であることが乖離の原因と考えられました。PCR 増幅産物が保管されていた乖離7検体(本品陽性・既承認品陰性)をNested PCRにて追加解析した結果、すべて陽性となりました。
留意事項 (18)SARS-CoV-2核酸検出
ア.SARS-CoV-2核酸検出は、検査の委託の有無にかかわらず、本区分の「10」HPV核酸検出の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。なお、採取した検体を、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託により実施する場合は、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス2013-2014版」に記載されたカテゴリーBの感染性物質の規定に従うこと。
イ.本検査は、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル2019-nCoV」に記載されたもの若しくはそれに準じたもの又は体外診断用医薬品のうち、使用目的又は効果 として、SARS-CoV-2の検出(COVID-19の診断又は診断の補助)を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合又はCOVID-19の治療を目的として入院している者に対し退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合に限り算定できる。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施し た場合は算定できない。なお、検査に用いる検体については、厚生労働省の定める新型コロナウイルス感染症の検査に係る指針を参照すること。
ウ.COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を 1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかず、本検査を再度実施した場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
エ.COVID-19の治療を目的として入院している者に対し、退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」(令和3年2月25日健感発0225 第1号)の「第1退院に関する基準」に基づいて実施した場合に限り、1回の検査につき上記のように合算した点数を算定する。なお、検査を実施した日時及びその結果を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
オ.本検査を算定するに当たっては、本区分の「10」の「注」に定める規定は適用しない。
製品関連URL https://diagnostics.roche.com/jp/ja/products/params/cobas-sars-cov-2-duo-test.html
文責:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会

関連記事