1. HOME
  2. 臨床検査医の方へ
  3. 新規保険収載検査
  4. (1→3)-β-D-グルカン

臨床検査医の方へ

TOPICS

新規保険収載検査

(1→3)-β-D-グルカン

令和 元年 8月1日より保険適用 D012感染症免疫学的検査 区分:E2(既存項目・変更あり)
(1→3)-β-D-グルカン
保険点数 207点
製品名 イムノテスタ BDG
製造販売元 積水メディカル株式会社
主な測定対象 深在性真菌感染症が疑われる患者
主な測定目的 血漿中の(1→3)-β-D-グルカンの測定(深在性真菌感染の診断の補助)
測定方法 酵素免疫測定法(ELISA法)
検 体 血漿
有 用 性 ELISA法により専用装置が不要で多検体同時測定が可能。抗(1→3)-β-D-グルカンモノクローナル抗体を使用するため、生物資源保護、安定供給面に優れる。
説 明 深在性真菌症は、真菌が肺、肝臓、腎臓、脳などに感染した状態を指し、骨髄や臓器移植後、免疫抑制剤が投与され免疫が低下している場合は特に注意を要する感染症である。深在性真菌症の診療においては確定診断を目標とされるが、臨床症状等の制約や培養検査等による早期診断の困難性から、補助的診断法と臨床情報を組み合わせた診断が行われる場合があり、この補助的診断法として血中の(1→3)-β-D-グルカンの測定が利用されている。
これまで(1→3)-β-D-グルカン検査は、発色合成基質法または比濁時間分析法を原理とし、いずれもカブトガニ血球抽出物がエンドトキシンや BDGに反応し凝固するリムルス反応(凝固カスケード)を利用した方法であり、すでに保険収載されている。
今回、新規保険収載された「イムノテスタBDG」は、抗(1→3)-β-D-グルカンモノクローナル抗体を用いたELISA法を原理とし、専用装置が不要で 多検体同時測定が可能な試薬である。本製品の(1→3)-β-D-グルカンの測定範囲は4~500 pg/mLであり、測定範囲における既存品(発色合成基質 法)との相関性は傾き0.97、相関係数 r=0.972と良好である。
なお、(1→3)-β-D-グルカンは、令和元年8月より従来の発色合成基質法、比濁時間分析法に加え、本試薬の測定原理であるELISA法においても保険適用が可能となった。算定条件は、深在性真菌感染症が疑われる患者に対する治療法の選択又は深在性真菌感染症に対する治療効果の判定に使用した場合に算定できる。
文責:積水メディカル株式会社、監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会

関連記事