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SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出 HISCL(TM) SARS-CoV-2 Ag試薬

令和 2年 11月20日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査(22)区分:E1(既存)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出
HISCL(TM) SARS-CoV-2 Ag試薬
保険点数 600点
製品名 HISCL(TM) SARS-CoV-2 Ag試薬
製造販売元 シスメックス株式会社
主な対象 COVID-19の患者であることが疑われる者
主な測定目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断補助)
測定方法 化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)
検 体 鼻咽頭ぬぐい液または鼻腔ぬぐい液
有 用 性 本邦では、SARS-CoV-2感染診断には、国立感染症研究所が構築したPCR法や研究用試薬を用いた検査が実施されているが、煩雑な手技、⾧い測定時間、体外診断用医薬品としての品質保証は行われていないことが課題であった。
本品は化学発光酵素免疫測定法を採用しており、約17分でSARS-CoV-2抗原の検出が可能でありSARS-CoV-2感染の診断補助として有用と考えられる。また検体抽出液(別売)を使用することで、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液採取後、検体中のSARS-CoV-2を不活化し、医療従事者の感染リスク低減に貢献する。
鼻咽頭ぬぐい液について、国内の臨床検体を用いたRT-PCR法との比較に基づく臨床性能試験成績(115検体)は、陽性一致率54%(25/46)、陰性一致率100%(69/69)、全体一致率81.7%(94/115)であった。また、RT-PCR法テスト試料中の換算RNAコピー数(推定値)に応じて比較すると、1600コピー/テスト以上の検体に対して陽性一致率100%(15/15)、400コピー/テスト以上の検体に対して陽性一致率100%(19/19)、50コピー/テスト以上の検体に対して陽性一致率87.5%(21/24)であった1)。
鼻腔ぬぐい液について、国内の臨床検体を用いたRT-PCR法との比較に基づく試験成績(60検体)は、陽性一致率84.0%(21/25)、陰性一致率100%(35/35)、全体一致率93.3%(56/60)であった。また、RT-PCR法テスト試料中の換算RNAコピー数(推定値)に応じて比較すると、50コピー/テスト以上の検体に対して陽性一致率100%(20/20)であった1)。
説 明 国立感染症研究所の報告によると、人に感染症を引き起こすコロナウイルスはこれまで6種類が知られており、呼吸器疾患を引き起こすことがあるSARS(重症急性呼吸器症候群)-CoVとMERS(中東呼吸器症候群)-CoV以外は、感染しても通常の風邪などの重度でない症状にとどまるとされていた。しかしながら、2019年12月に中華人民共和国の武漢市で原因不明の肺炎患者が発生していることが報告され、その後、WHOは、2020年1月5日に中国当局が新種のコロナウイルス2019-nCoVを発見したことを報告した(さらに2020年2月11日に国際ウイルス分類委員会により正式名称はSARS-CoV-2とされた)。本邦においても、2020年1月16日付の厚生労働省発表として、1例目の症例が確認され、その後経緯不明のヒト-ヒト間感染が報告されるまでになっており、公衆衛生上の喫緊の課題となっている2)。
本品は、2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法による、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原を検出するキットである。本試薬に対応する検査機器(「全自動免疫測定装置 HISCL-800」及び「全自動免疫測定装置 HISCL-5000」)により、検体処理液の発光強度を測定し、既知濃度の試料と比較して陰性/陽性を判定する。検査には同検査機器が必要となるが、測定時間は17分で、各装置1台で100又は200テスト/時の検査を行うことが可能である。検査にあたっては、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」(厚生労働省)を参照して、既承認の抗原簡易検査キットと同様に抗原定性検査として用いる1)。
留意事項 1. SARS-CoV-2(新型コロナウイルスをいう。以下同じ。)抗原検出は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2抗原の検出(COVID-19(新型コロナウイルス感染症をいう。以下同じ。)の診断又は診断の補助)を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に限り、「25」マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)の所定点数4回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにする ための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない3)。
2. COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること3)。
3. 診断は厚生労働省より医療機関・検査機関向けの最新情報を参照すること。本稿執筆時点では、抗原定性検査は、ウイルスの抗原を検知し、診断に導く検査であり、PCR検査とともに有症状者の確定診断として用いることができ(厚生労働省.SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン[令和2年5月13日])、また、症状発症から2~9日目の症例では陰性の確定診断として用いることができる(同令和2年6月16日改訂)4)。
4. 検体採取を実施する際は、国立感染症研究所及び国立国際医療研究センター国際感染症センターが作成した「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理」を参考にして必要な感染予防策を実施し5)、検体はSARS-CoV-2による感染の恐れがあるものとして、取り扱いには厳重な注意をすること6)。
5. 測定試料の調製に際しては専用の検体抽出液(シスメックス株式会社)を使用すること2)。
参考資料 1) 「新型コロナウイルス感染症診断薬の承認について(シスメックス株式会社申請品目)」令和2年11月10日(オンライン),
入手先 https://www.mhlw.go.jp/content/11124500/000693245.pdf
2) 「HISCL(TM) SARS-CoV-2 Ag 試薬添付文書」令和2年11月作成第1版
3)「検査料の点数の取り扱いについて」保医発 0625第3号令和2年6月25日厚生労働省保険局医療課⾧通知(オンライン),
入手先 https://www.mhlw.go.jp/content/000643763.pdf
4)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第1版)及び鼻腔検体採取における留意点等について」令和2年10月2日厚生労働省事務連絡(オンライン),
入手先 https://www.mhlw.go.jp/content/000678570.pdf
5)「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理」令和2年10月2日改訂(オンライン),
入手先 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9310-2019-ncov-01.html
6)「2019-nCoV(新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル」令和2年7月17日更新(オンライン),
入手先 https://www.mhlw.go.jp/content/000650337.pdf
製品ページURL https://products.sysmex.co.jp/products/immunology/CP301035/index.html
文責:シスメックス株式会社/監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会

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