健診分野での判断値①について[ラボ NO.452(2016.9.発行)より] | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
  1. HOME
  2. 一般の方へ
  3. 健診分野での判断値①について[ラボ NO.452(2016.9.発行)より]

一般の方へ

GUESTS

検査値異常の判断法

健診分野での判断値①について[ラボ NO.452(2016.9.発行)より]

ケンシンには健康の「健」の字と検査の「検」の字を使う場合があるように思いますが、これは何か意味があるのでしょうか?

どの「ケン」使うか、はっきりした定義はありませんが、意識して使い分けている場合と、そうでない場合が見られます。
一般的に「健」を使用する場合は、正式には健康診断、健康診査と呼ばれ、病気の予防・早期発見のために医師が行う診断のことです。この場合、現在の健康状態をスクリーニング的に調べ、結果によっては精密検査、再検査、適切な医療機 関を紹介するとか、病気の発見と治療を行います。さらに、将来かかりそうな危険性の高い病気について予測し、発症させないための生活改善を行い、健康増進に役立たせることを目的としています。予防医学的には病気にならないための一次予防といわれ、健康教育の場と考えてください。職場での健康診断のほか、学校保健法による健康診断、母子保健法による乳児健康診査、妊婦健診などが「健」の字です。法的な健診でなくても、人間ドックのように任意に受ける場合にも「健」を使います。
それに対して「検」を用いる場合は、ある特定の病気にかかっているかどうかを検査し、診査することです。予防医学的には二次予防といわれ、特定の病気の早期発見、早期治療を目的としています。目標となる疾患、臓器はがんのことが多 く、たとえば胃がん検診、乳がん検診というように使いますが、がん以外には結核検診などがあります。

受診した施設によって結果報告書の判定基準の数値が異なっている場合があります。

健診検査項目にはいくつかありますが、内容から検体検査での測定値について説明します。
ご指摘のように、判定の基準値は健診の種類とか、受診した施設によって異なることがあります。健診分 野では検体検査の測定値の判定基準は年齢別・性別により、標準化されたものはなく、同じ測定値であっても受診者によって判定が異なることがあります。たとえば30歳代の女性と60歳代の男性が同一の判定とならないことは理解できると思います。とはいっても、この範囲を超えた場合には、「異常とは言えないけれども見逃してはいけない」という意味で、基準となる数値が示されています。
たとえば特定健診の場合、一般的な病院の判定基準と異なり、血糖値100mg/dl以上、HbA1c 5.6%以上、LDLコレステロールは120mg/dlを判定基準値にしています。血圧高値の判定も収縮期130mmHg、拡張期85mmHgとしています。特定健診では予防医学的な見地から、生活習慣を見直し、また経過観察を必要とする数字としてより厳しく設定されています。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。