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検査の豆知識

動脈硬化症の検査 (頸動脈エコーとABI/PWV)[ラボ NO.569(2026.6.発行)より]

動脈硬化とはどのような状態ですか?

動脈硬化には、大きく2つの病態があります。1つは、血管が弾力を失い心臓が送り出す血液の圧力(血圧)を柔軟に受け止めることができなくなること、もう1つは、血管の内側にコレステロールなどのドロドロしたお粥のような塊(これをプラークといいます)が溜まって、血管の内腔が狭くなることです。さらにこの両者が進行すると、血管が閉塞したり、破裂したりします。その結果、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを引き起こします。

動脈硬化の検査法にはどんなものがありますか?

代表的な検査法は、頸動脈エコーとABI/PWVの2つです。

(1)頸動脈エコー

頸動脈エコー検査は超音波を使って、動脈壁やプラークの状況を見る検査です。主に以下の2点をチェックします。
 ①血管の壁の厚さ(IMT):動脈の血管壁は内膜、中膜、外膜の三層で構成されていますが、このうち内膜と中膜を併せた厚さを内膜中膜複合体肥厚度(IMT)と呼び、動脈硬化の指標となります。1.1mm以上あると動脈硬化が進んでいる兆候です。
②プラークの状況と狭窄の程度:血管の内側にプラークが溜まると、それがコブのようになって血管壁が盛り上がった状態になります。さらにこれが大きくなると血管の狭窄が生じて血流が妨げられたり、完全に閉塞し血流が途絶えたりする状態となります。このような状況を画像として観察することができます。

(2)ABI/PWV 検査

ABIは足の動脈の血流の状態、PWVは動脈硬化の程度(血管の硬さ)を見る検査法です。ABIとPWVは通常セットで行われます。血圧計を両手・両足の計4箇所に巻いて測定します。
① AB I(足関節上腕血圧比) ABIは、足関節(くるぶし)の部分の血圧と上腕の血圧を同時に測定して、「足の血圧/上腕の血圧」より算出する数値です。ABIの数値が0.9を下回る、つまり足関節の部分の血圧値が上腕の血圧値の90%以下になると、足の血管が狭窄している疑いが出てきます。 ②PWV(脈波伝搬速度) 心臓から押し出された血液の拍動(脈波)が、血管の中を進むスピードを測定する検査です。柔らかい血管はゴムホースのようにしなやかなので、拍動の衝撃を吸収しながらゆっくり伝わります。一方硬い血管では衝撃が吸収されず、速いスピードで拍動が伝わります。つまり脈波の伝わるスピードが速いほど、血管が硬くなっている(動脈硬化が進んでいる)と判断されます。この原理を応用して動脈硬化の程度を知る検査がPWVです。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。