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検査の豆知識

出血や血栓を調べる検査[ラボ NO.565(2026.2.発行)より]

血栓について教えて

血液は体内で酸素や栄養を全身に運ぶためにサラサラ流れています。けがや手術で血管が切れると「止血」という仕組みが働き、血液が固まって傷口をふさぎ、出血を防ぎます。傷口にできる血のかたまり(血栓)は「止血血栓」と呼ばれますが、この働きがうまくいかないと出血が止まりにくい「出血傾向」になります。
一方、血管の中で不必要な血栓(病的血栓)ができると、血流が妨げられ、場合によっては脳梗塞や心筋梗塞など重大な病気につながります。さらに、足の深い血管(深部静脈)でできた血栓(深部静脈血栓症)が血流に乗って肺へ運ばれ、肺などの血管を詰まらせる「塞栓症」になることがあります。

“出血しやすさ”や“血栓症(血のかたまり)”が
心配なときに役立つ検査は ?

・血小板数: 止血に必要な細胞(血小板)の 数を調べます。
・凝固検査: 血液を固めるタンパク質(凝固因子)の働きを調べます。PT(プロトロンビン時間)やAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)が代表的です。
・フィブリノゲン検査: 凝固因子の一つで、血栓の材料となるフィブリノゲンの量を測定します。
・Dダイマー検査: 体内で血栓ができ、治癒の過程で分解されると「Dダイマー」という物質が血液中に増えます。これは「血栓ができていた証拠」を示す目印で、深部静脈血栓症・肺塞栓症(旅行者血栓症〔エコノミークラス症候群〕など)の疑いがあるときに調べます。ただし炎症やがん、手術後でも高値になることがあり、 Dダイマーだけで血栓症の診断はできません。

どんなときにこの検査を受けるのでしょうか?

出血が止まりにくい、あざができやすい場合、あるいは手術前に、体の「止血」機能が正常に働いているかを確認するために検査が行われます。血小板や凝固因子の不足、また凝固因子の働きを妨げるインヒビター(阻害物質)がないかも調べます。抗血栓薬(血液を固まりにくくする薬)を服用している場合、薬の種類によっては定期的な血液検査(例:ワルファリン投与中のPT-INR検査)が必要ですが、最近は検査不要な薬も増えています。
一方、血栓症が疑われる場合にはDダイマー検査が行われます。長時間の座位(旅行・災害後の車中泊など)で足の腫れ、突然の息切れや胸痛といった症状が現れることがあり、これは「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)」等として知られています。血栓症の疑いが強い時は、血液検査だけでなく超音波(エコー)検査やCT、MRIなどの画像診断も組み合わせて、より詳しく調べる必要があります。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。