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1貧血とは何ですか?
貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)という色素が少なくなった状態です。ヘモグロビンは、呼吸により肺から取り入れた酸素を全身に運ぶ役割をしているので、貧血になると十分な酸素を体に届けることができません。怪我などで短時間に大量出血した場合と異なり、徐々に進行する慢性貧血では自覚がないことも多いですが、症状として、頭痛・倦怠感・疲れやすさ・動悸などがみられます。診断には血液検査が必要ですが、軽度の貧血では自覚症状が でにくいため、検査を受けてから初めて気づく人もいます。
2血液検査のどの項目を見たらいいですか?

貧血の検査では、まず、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン濃度(Hb)、血液中の赤血球が占める割合であるヘマトクリット値(Ht)を調べるのが基本です。ヘモグロビンの値をチェックして、基準値(おおよそ成人男性13g/dL、成人女性12g/dL)未満の場合は貧血が疑われます。また、検査の表をよく見ると、MCV(平均赤血球容積)や、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)という項目もありますが、これらより貧血の原因を推測することができます。

3貧血にはどのような種類がありますか?
貧血はいくつかの種類に分けられます。絶対的なものではありませんが、血液検査の結果をみて貧血を分類することで、貧血になった原因を知ることができます。
小球性貧血
貧血で最も多いのは、鉄欠乏性貧血です。鉄分はヘモグロビンの材料ですが、食事からの鉄分の摂取不足、または体外への排出増加により、材料の鉄分が足りなくなって起こります。この鉄欠乏性貧血では、赤血球の粒が小さくなり、赤血球に含まれるヘモグロビン量が減るので、先に述べたMCVやMCHCが低下します。また、併せて、血清鉄(Fe)やフェリチン(鉄を貯蔵するタンパク質)も低くなっていることを確認します。鉄の排出増加の原因として、過多月経、消化管出血などが隠れていることがあるので、場合によっては婦人科受診や便潜血検査、消化管内視鏡検査などを行うこともあります。他にも赤血球の粒が小さくなる貧血として、慢性炎症や遺伝的なヘモグロビン異常であるサラセミアなどがあります。
正球性貧血
赤血球の大きさが通常である貧血です。怪我などで大量に出血した時や、頻度は低いですが、溶血性貧血や白血病などの骨髄疾患が隠れていることもあります。溶血性貧血は、先天的な遺伝子異常によるものや、免疫反応などにより赤血球が壊れてしまう後天的な病態があります。また、白血病などの血液の病気や癌の骨髄浸潤といった骨髄疾患では、造血工場の骨髄が悪い細胞に占領されてスペースがなくなり、血液細胞が正常に作られなくなります。
大球性貧血
赤血球のサイズが大きくなる貧血です。ビタミンB12 や葉酸の欠乏によって起こる巨赤芽球性貧血が代表例です。これらの栄養素の欠乏により造血異常をきたし、骨髄の若い赤血球(赤芽球)が大きくなります。原因としては、偏食によりこれらの栄養の摂取が足りていない場合もありますが、ビタミンB 12 の吸収に問題がある場合や、手術で胃を切除した後にも起こるので、注意が必要です。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。