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見逃せない検査異常

CRP[ラボ NO.548(2024.9.発行)より]

CRPとはどのような検査ですか ?

CRP は、C-reactive protein(C反応性蛋白)の略称で、体内で炎症が起きたり組織が損傷を受けたりすると肝臓から産生される急性期反応性蛋白の一つです。感染症や膠原病などで高値を示すため、これらの疾患の診断や治療効果の判定に広く利用されています。

CRPが上昇する疾患にはどのようなものがありますか?

細菌や一部のウイルスによる感染症、関節リウマチなどの膠原病、悪性腫瘍、外傷、心筋梗塞などでCRPは上昇します。CRPの数値は、これらの疾患における炎症や組織損傷の程度を反映しており、数値が高いほど炎症が強いことを示しています。ただし、CRPの上昇だけでは、どの臓器に炎症があるかまでは特定できません。他の検査所見や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。
またCRP は、喫煙者、妊婦、高齢者、肥満者で軽度高値となることも多いので注意が必要です。
一方、CRP低値が問題となることは通常ありませんが、一部のウイルス感染症や膠原病では、体に炎症があってもCRPが上昇しないことがあります。

CRPの検査値の変化にはどのような特徴がありますか?

CRP は短時間で反応するため、感染症などの病勢や治療効果を知るうえで有用な指標となります。細菌感染症の場合、通常CRPは 6~8時間以内に上昇しはじめ、病態改善とともに低下します。感染症の治療開始後CRPが速やかに低下すれば、感染症が改善している可能性が高く、CRPが高値のままであれば、治療が奏功していない可能性があります。このように、感染症の経過観察や治療効果の判定に有用な指標となります。
また、関節リウマチなどの膠原病でも、病気の勢いが強くなっている時には高値となり、落ち着いたら低下するので、病勢の評価や治療効果判定に有用です。

CRPの検査結果をどのように活用すればよいですか?

CRP は体の中で何らかの炎症や組織障害が起きていることを示す重要な指標ですが、その原因を特定するには慎重な診察と血液検査や画像検査が必要となります。CRP の検査値の変化を注意深く観察し、医師と一緒に総合的に判断していくことが大切です。また、定期的なCRP 検査は、慢性疾患の管理や治療効果のモニタリングに役立ちます。

 

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。