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1糖尿病とは?
糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群です。「1型糖尿病」と「2型糖尿病」が広く知られていますが、「その他の特定の機序や疾患によるもの(遺伝子異常や内分泌性疾患のほか、その他の続発性や薬剤性などによるもの)」、「妊娠糖尿病」の4つに分類されます。近年、慢性的な栄養不足に起因するものを「5型」と呼称することもありますが(国際糖尿病連合)、正式な分類名としては認定されていません。
1型糖尿病は糖尿病全体の約5%を占め、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が自己免疫的機序により破壊され、インスリンが欠乏することによって通常は急激に発症します。一方、2型糖尿病は主に加齢によるβ細胞の機能低下に加え、インスリンの作用不足をきたす素因(多因子遺伝)や環境因子(過食や高脂肪食、運動不足、肥満や加齢)が重なり、潜在性に進行します。
2糖尿病の検査とは?

糖尿病を診断する検査、血糖の管理状況や病態を把握する検査、合併症を検索する検査など、さまざまな臨床検査があります。血糖値とHbA1c(グリコヘモグロビン)値を用いて糖尿病を診断します(表1)。血糖値は血液中のブドウ糖の濃度です。グリコヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)値は血液中のブドウ糖と酸素を運ぶヘモグロビンが結合した割合です。クロマトグラムという機器でヘモグロビンを分離した際のA1c分画を意味し、約1~2ヵ月前の血糖コントロールの状況を反映します。この2つの検査値により、表1に示すように糖尿病型を別の日に2回認めた場合、糖尿病と診断します。なお、図1に示す血糖値とHbA1c値が同時に糖尿病型の基準を満たした場合、1回の検査でも糖尿病と診断します。グリコアルブミン(糖化アルブミン)は、血液中のブドウ糖とアルブミンが結合したものであり、約2週間前の血糖状況を反映しますが、糖尿病の診断には用いません。
そのほか、インスリン、血中・尿中Cペプチド、尿糖などで病状を判断します。糖尿病は大小さまざまな血管の障害を引き起こしやすいため、心電図、血管機能検査、頸動脈エコー、眼底、神経伝導速度検査などを組み合わせて糖尿病合併症の検索を行います。

3そのほかの特殊な検査は?
急性発症で1型糖尿病が疑われる場合、自己抗体検査を行います。グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体、IA-2/ICA512抗体、インスリン自己 抗体(IAA)、亜鉛輸送担体8抗体(ZnT8)、膵島細胞質抗体(ICA)を測定します。これらの抗体検査が陽性の場合、多くは1型糖尿病と診断されます。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。