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- 腫瘍マーカーのみで癌の早期発見や癌の診断ができますか?
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- 腫瘍マーカーのみで癌の早期発見や癌の診断ができますか?
腫瘍マーカーは、血液中や分泌液中にあり、悪性腫瘍を強く疑う際の補助診断の1つです。多くの腫瘍マーカーは、癌の早期発見のためには確立していません。しかしPSA(pr ostate specific antigen、前立腺特異抗原)は臓器特異性が高く、50歳代以降男子で増加する前立腺癌の早期発見に役立ちます。いずれの腫瘍マーカーも悪性腫瘍のみでなく、急性・慢性炎症や良性疾患等で上昇、すなわち偽陽性となることがあります。以上から診察、画像所見から悪性腫瘍が強く疑われた場合にのみ参考にするよう保険診療上の指導があり、現在、保険診療で認められている腫瘍マーカーは40種類ほどです。
このように腫瘍マーカーのみでの癌の診断はできず、病理検査での確認が必要です。数値のみに振り回されないことが常に大切です。腫瘍マーカーの値や種類は、腫瘍の進行で変動するので、術前の進行度の予測や、治療評価、再発の早期発見に有用といわれます。