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検査の豆知識

白血球の検査 ― 白血球の種類 ―[ラボ NO.563(2025.12.発行)より]

白血球って、どんな細胞?

白血球は、免疫や感染防御の最前線で活躍し、体に侵入した細菌やウイルス、異物から「身体を守る戦士」です。血液1μL(1/1000ミリリットル)あたり約3,300 ~ 8,600個(共用基準範囲:多くの医療機関で使われる基準値)存在します。体内の血液細胞がキャラクター化されてその働きを描いたアニメも話題となり、血球の働きを身近に感じる方も多いかもしれません。

白血球には、どんな種類があるの?

白血球は主に5つのタイプがあり、それぞれ異なる役割を担っています。
好中球
全白血球の中で最も数が多く、最前線の防御部隊です。細菌など病原体が侵入すると、すぐ現場に集まり、それらを取り込んで分解・除去します。
リンパ球
・T細胞:感染細胞やがん細胞を認識して直接攻撃するものや、他の免疫細胞への司令を出すものがあります。なかでも「制御性T細胞」は、免疫反応が必要以上に強くならないように調節しており、その発見が近年ノーベル賞を受賞して注目されました。
・B細胞:ウイルスや細菌などの情報を記憶し、「抗体」をつくって標的を排除します。
・NK細胞:生まれ持った防衛力(自然免疫)で、がん細胞やウイルス感染細胞を発見次第攻撃する「初動部隊」です。

単球
細菌や老廃物を取り込んで分解する"体内の掃除屋"です。血液中から組織に移動すると「マクロファージ」となります。
好酸球・好塩基球
アレルギー反応や寄生虫感染など、特殊な状況で活躍する細胞です。

白血球検査で異常があるときは?

白血球数の増減をどう考えるか
白血球数の増減には、細菌感染症、薬の副作用、喫煙、血液疾患などさまざまな原因があります。ただし、基準値より多少高めや低めというだけでは、体質による個人差の可能性もあり、必ずしも病気とは限りません。どの種類の白血球が多いか少ないかという偏りも重要です。白血球の増減が過度の場合や、この偏りが持続する時には、骨髄検査などの特殊な検査が必要になることもあります。
どんなときに病気が疑われるのか
血液検査では、白血球数、赤血球数、血小板数を測定し、白血球の種類(好中球、リンパ球など)ごとの割合を調べます。また、顕微鏡で血液細胞の形状を観察し、病気の手がかりを探ります。血液細胞の形に目立った異常がある、通常は骨髄にいる若い白血球が末梢血液中に数多く出現している、血小板や赤血球にも異常が認められる、といった場合には造血の病気が疑われることがあります。気になる点があれば、医療スタッフに相談しましょう。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。