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新規保険収載検査

ROS1 融合遺伝子

平成 29 年 6 月より保険適用 D004-2 悪性腫瘍検査 1.悪性腫瘍検査 区分 E3(新項目)
ROS1 融合遺伝子検査
保険点数 2,500点
EGFR 遺伝子検査(リアルタイム PCR 法)(D004-2 悪性腫瘍組織検査 1.悪性腫瘍遺伝子検査 イ)の所定点数に準じて算定される。
製品名 OncoGuide AmoyDx ROS1 融合遺伝子検出キット
製造販売元 株式会社理研ジェネシス
主な対象 非小細胞肺癌の患者
主な測定目的 癌組織又は細胞診検体から抽出した RNA 中の ROS1 融合遺伝子 mRNA の検出
(クリゾチニブの非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる)
測定方法 Reverse Transcription PCR 法
検  体 非小細胞肺癌患者の、腫瘍細胞の存在が確認された FFPE 組織、新鮮凍結組織、細胞診検体、又は細胞診検体由来 FFPE セルブロックから抽出した RNA
有用性 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)患者にみられる ROS1 融合遺伝子陽性を検出することにより、クリゾチニブ(抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤)適応の可否を判断するコンパニオン診断薬である。
特 徴

ROS1(c-ros oncogene 1)は、インスリン受容体ファミリーの受容体チロシンキナーゼ(RTK)であり、細胞内 C 末端チロシンキナーゼドメインと大きな細胞外 N 末端ドメインをもつ 1 回膜貫通型蛋白である。 ROS1 融合遺伝子は、非小細胞肺癌(NSCLC)細胞株および NSCLC 患者検体において、癌化促進の重要な役割を果たす可能性のある変異として同定され、融合タンパク質は癌化のドライバーとして作用することが明らかとなっている。これまでに肺癌のドライバー遺伝子としては EGFR 遺伝子変異、ALK 融合遺伝子がよく知られているが、本ROS1 融合遺伝子は、これらの EGFR 遺伝子変異、ALK 融合遺伝子とは、一般的には相互に排他的であると報告されている。

ROS1 融合遺伝子陽性患者の検出頻度は、肺癌の 0.9~2.6%である。若年層の非喫煙者で見つかる傾向にあり、組織学的には、一部を除いて腺癌である。
本製品は、逆転写反応(Reverse Transcription:RT)、及び蛍光標識加水分解プローブ法を用いたリアルタイム PCR (Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)を連続して行うツーステップ RT-PCR を原理として、非小細胞肺癌患者の癌組織又は細胞診検体から抽出した RNA 中の 14 種類の ROS1 融合遺伝子 mRNA を検出するキットである。最小検出感度は、ROS1 融合型塩基配列を含有する精製プラスミド DNA を検体として用いた場合、1 検査反応あたり 125 コピーである。なお、日本肺癌学会バイオマーカー委員会から、平成 29 年 4 月に「肺癌患者におけるROS1 融合遺伝子検査の手引き 第一版」が発行されており、その中で、ROS1 融合遺伝子を出来るだけ早期に診断する必要があるため、初回診断時に EGFR 遺伝子変異、ALK 融合遺伝子と同時に ROS1 融合遺伝子も測定することが推奨されている。

クリゾチニブ(販売名:ザーコリカプセル、製造販売元:ファイザー株式会社)は、ファイザーが開発した抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤であり、ROS1 融合蛋白、および、ALK 融合蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害する。本邦においては、2012 年 3 月に「ALK 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を適応症として、また、2017 年 5 月 18 日に「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を適応拡大として承認を取得している。また、日本肺癌学会の肺癌診療ガイドライン(2016 年 12 月に 2016 年版へと更新:5-10、6-13)において、ROS1 融合遺伝子陽性 NSCLC 患者の 1 次治療、および 1 次治療でクリゾチニブ未使用の 2 次治療以降として、推奨グレード A とされている。
なお、本検査は、肺癌の腫瘍細胞を検体として、肺癌の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った場合に、患者1人につき1回に限り算定される。また、算定に当たっては、その目的、結果および選択した治療法を診療報酬明細書の摘要欄への記載が必要である。なお、本検査を、造血器腫瘍遺伝子検査(D006-2)または免疫関連遺伝子再構成(D006-6)と同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定される。
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製品関連URL https://rikengenesis.jp/content_ja_JPY_298.html
※製品情報のホームページは仕様変更などによりリンク切れとなることもあります.

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