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新規保険収載検査

UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型

平成 29 年 9 月より保険適用 D006-7 区分 : E2(新方法)
UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型
保険点数 2,100 点
製品名 ジーンシリコン DNA チップキット UGT1A1
製造販売元 株式会社エイアンドティー
主な対象 塩酸イリノテカンの投与対象となる患者
主な測定目的 全血より抽出したゲノム DNA 中の UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型 UGT1A1*28、UGT1A1*6 の判定
測定方法 PCR 法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法
検  体 EDTA 加全血検体から抽出したDNA
有用性 塩酸イリノテカン投与対象となる患者の UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型 UGT1A1*28 及びUGT1A1*6 を事前に測定することで,塩酸イリノテカン投与後の副作用発現の危険性を予測できる。
特  徴

塩酸イリノテカンはプロドラックであり、生体内で発現するカルボキシエステラーゼによって加水分解され、強い抗がん作用を有する活性代謝物(SN-38)を生じる。SN-38 は、肝臓で発現する UDP グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)でグルクロン酸抱合を受け,抗がん作用のない非活性代謝物(SN-38G)となり体外へ排出される。SN-38 の抗がん作用は副作用として白血球減少、好中球減少や下痢などを引き起こすことが知られている。

UGT1A1 をコードする UGT1A1 遺伝子には UGT1A1*28、UGT1A1*6 の 2 か所の遺伝子多型があり、いずれかがホモ変異型又はいずれもがヘテロ変異型である場合、UGT1A1 の酵素量や酵素活性が低減され、SN-38 を不活性化できないため、前出の副作用の発現率が特に高くなることが知られている。
本邦においては、インベーダー法による UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型検査が、2008 年 11 月に保険適用されている。

本製品は、目的塩基配列(蛍光標識)の PCR 法による増幅反応と DNA チップ上に固定化された DNA プローブとの特異的なハイブリダイゼーション反応とを組み合わせた方法を採用している。そのため,既存品(インベーダー法)と比べ, 1/140~1/40 倍の微量な DNA 量で UGT1A1*28 及び UGT1A1*6 を測定できる。また、本製品の DNA チ ップ上には UGT1A1*28 及び UGT1A1*6 の DNA プローブが両方固定化されているので、それらの接合型を同時に測定することができる。
なお、既存品(インベーダー法)及びシークエンス法と本製品との測定一致率は、UGT1A1*28 及び UGT1A1*6とも 100%である(但し、既存品で測定不能であった 1 検体を除く)。


また、UGT1A1*28 は UGT1A1 遺伝子のプロモーター領域にある、チミン(T)とアデニン(A)の繰り返し配列である“TATA ボックス”において、TA 繰り返しが 7 回になっている変異型である(野生型では TA 繰り返しが 6 回)が、本製品は日本人において低頻度に見られる、TA5 変異型(TA 繰り返しが 5 回)又は TA8 変異型(TA 繰り返しが 8 回)の存在も示唆できる仕様となっている(但し、TA5 変異型又は TA8 変異型の判定は行わない)。

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