喫煙と検査値について[ラボ NO.448(2016.5.発行)より] | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
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検査値異常の判断法

喫煙と検査値について[ラボ NO.448(2016.5.発行)より]

喫煙で検査結果に影響はありますか?

喫煙で検査結果に影響はありますか?

喫煙は、 肺がんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因になるばかりか、 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の増悪因子にもなっており、検査値にさまざまな影響を及ぼします。

喫煙で呼吸機能検査はどういう結果になりますか?

喫煙で呼吸機能検査はどういう結果になりますか?

呼吸機能検査では、ゆっくり吸ったり吐いたりするスパイログラムと、一気に呼出して得られる努力呼出曲線(フローボリュームカーブ:FVC)とがあります。喫煙者では、肺活量にはほとんど変化はありませんが、FVCから得られる一秒量(一秒率)が低下します。これは、喫煙により気管支の慢性炎症や肺胞の破壊により、息を吐く勢いが低下して起こります。一般的に一秒率70%未満が閉塞性換気障害の基準ですが、仮に70%以上でも、喫煙者の場合は、FVCカーブが下に凸の曲線になる現象が見られ、COPDの早期発見に役立ちます(図)。

喫煙で血液検査はどうなりますか?

喫煙で血液検査はどうなりますか?

喫煙によってヘモグロビンが一酸化炭素と結合するため全身への酸素の供給量が減少し、その結果、ヘモグロビンが増加する代償現象が起こり、いわゆる「血が濃い状態(ヘモグロビン、ヘマトクリットなどが増加)」になります。また、喫煙によって好中球も活性化し、白血球数が増加することがあります。
喫煙によって肺がんになった場合、腫瘍マーカーであるSCC(扁平上皮癌)やCEA(肺腺癌)などが増加します。しかし、肺がんでなくても、喫煙者では、CEAが増加することが知られており、CEA増加を見た場合はまず喫煙歴を確認する必要があります。

禁煙によって検査値は改善しますか?

禁煙によって検査値は改善しますか?

血液検査の結果は、禁煙によってある程度は改善しますが、呼吸機能検査は気管支や肺の病気が進行してしまうとなかなか元には戻らなくなります。肺はいったん破壊されてしまうと再生能力がないために元に戻ることはないと考えられていますので、早めに禁煙をして進行を止めることしかありません。ぜひ禁煙をおすすめします。

●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。