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これらはそれぞれ、血液に含まれる赤血球数、ヘモグロビンの濃度、赤血球の割合を調べる検査です。健康診断でよく行われる検査の一つであり、貧血かどうかを調べるのに役立ちます。
赤血球は血液の主成分で、体の中で酸素を運搬する役割を担っています。これは、赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)の働きによるものです。ヘモグロビンは、鉄を含むヘムという色素とグロビンというタンパク質からできています。血液が赤く見えるのは、ヘモグロビンの影響です。
採取した血液を自動血球分析装置にかけると、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットが同時に測定できます。 基準値と検査の意味を表1に示しました。 これら3項目は並行して変化することが多く、それぞれ低い場合は貧血が、高い場合は多血症や脱水が疑われます。貧血や多血症の診断には主にヘモグロビンが用いられますので、以降はヘモグロビンを中心に解説します。
貧血が疑われます。貧血はヘモグロビンが基準値以下に低下した状態を指しますが、 貧血の目安は年齢により異なります( 表2)。貧血がひどくなると、 だるさや息切れ、動悸などの症状が出てきます。貧血には様々な原因がありますので、健康診断で「要受診」といわれたときには、内科の受診をおすすめします。
ヘモグロビンが高い場合、多血症(赤血球増加症)や脱水の可能性があります。多血症は、血液が濃くなって血栓ができやすくなる病気です。放置すると、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる場合があります。多血症の診断は専門医以外では難しいので、健康診断で「要受診」といわれたときには、血液内科の受診をおすすめします。
●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。