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新規保険収載検査

遊離カルニチン/総カルニチン

平成 30 年 2月より保険適用 D007 血液化学検査 区分:E3(新項目)
遊離カルニチン/総カルニチン
保険点数 遊離カルニチン:95 点/総カルニチン:95点
製品名 F-Carnitine 試薬 カイノス/T-Carnitine 試薬 カイノス
製造販売元 株式会社カイノス
主な対象 先天性代謝異常を疑う患者やカルニチン欠乏のリスクが高い患者(長期の経腸栄養管理を受けている小児等)
であって,カルニチン欠乏症を疑う臨床症状・臨床徴候や検査異常を呈する患者
主な測定目的 血清又は血漿中の遊離カルニチンの測定(カルニチン欠乏症の診断補助等)
血清又は血漿中の総カルニチンの測定(カルニチン欠乏症の診断補助等)
測定方法 酵素サイクリング法
検 体 血清又は血漿
有 用 性 カルニチン欠乏症を診断し,血中カルニチン濃度に基づいたカルニチン補充療法を実施することが可能となる。
説 明

カルニチンは,脂肪酸代謝によるエネルギー産生や不要な有機酸の排泄等に必要なアミノ酸である。カルニチンが体内から欠乏すると意識障害や痙攣,低血糖,肝機能異常等の多彩な臨床症状や検査異常が認められるため,リスクの高い患者ではカルニチン欠乏症を疑い,血中カルニチン濃度を測定することが重要である。


血中カルニチン濃度の測定には,タンデムマスによるカルニチンプロフィール分析と,本製品を用いた酵素サイクリング法によるカルニチン 2 分画検査がある。タンデムマス法はアシルカルニチンの種類と濃度を分析できるため,先天性代謝異常症の診断に必須で,新生児マススクリーニングで汎用されている。一方,酵素サイクリング法は総カルニチンと遊離カルニチンを各々測定し,その差からアシルカルニチンを算出し,総カルニチン濃度,遊離カルニチン濃度,アシルカルニチン濃度を求めるものである。タンデムマス法による測定は先天性代謝異常症を強く疑われる場合のみ保険適用が認められているため,先天性代謝異常症以外の原因で発症するカルニチン欠乏症の診断には用いられていない。今回,新規保険収載された本製品は,汎用の自動分析装置で測定が可能であり,従来のタンデムマス法に比べ,汎用性が高く日常臨床に有用である。先天性代謝異常以外のカルニチン欠乏症にも留意事項に従い保険適用されるため,カルニチン欠乏症の診断と治療に貢献するものと考えられる。
日本小児科学会関連の日本小児連絡協議会の栄養委員会が中心となり策定された「カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2016」において,遊離カルニチンと,総カルニチンと遊離カルニチンから算出するアシルカルニチンを用いたカルニチン欠乏症の診断法が提案されている。

算定条件は,遊離カルニチンと総カルニチンそれぞれで,①先天性代謝異常症の診断補助若しくは経過観察のために月に 1 回を限度として算定でき,②静脈栄養管理若しくは経腸栄養管理を長期に受けている筋ジストロフィー,筋萎縮性側索硬化症若しくは小児の患者,③人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使用している小児の患者,④バルプロ酸ナトリウム製剤投与中の患者,⑤Fanconi 症候群の患者,⑥慢性維持透析の患者において,カルニチン欠乏症の診断補助若しくは経過観察のために 6 月に 1 回を限度として算定できることとなっている。

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