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新規保険収載検査

D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目) 百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規) 腟トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出

令和 4年 6月1日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出
*ジーンキューブ(R)百日咳
保険点数 360点
製品名 *ジーンキューブ(R)百日咳
製造販売元 東洋紡株式会社
使用目的 鼻咽頭拭い液又は咽頭拭い液中の百日咳菌及びパラ百日咳菌ゲノムDNAの検出(百日咳の診断補助)
測定方法 PCR法により、標的核酸の増幅を行い、増幅産物を蛍光標識プローブ(QProbe)を用いて百日咳菌(Bordetellapertussis)及びパラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)のDNAを検出する。
説 明 百日咳は咳嗽を主訴とする、百日咳菌によって起こる呼吸器感染症である。五類感染症(定点把握疾患)としての全数把握疾患とされており、診断した医師すべてに診断後7日以内の届出が義務付けられている。そのため、原則全例検査診断を実施(検査確定例と接触歴のある百日咳の臨床的特徴を有する症例は除く)した上で、その結果についても報告を求められる1)。
患者の多くは、ワクチン接種前の乳幼児であるが、ワクチン効果の減弱した青年・成人の感染も問題視されている。百日咳菌は強い感染力をもつため、医療機関、学校・職場での集団感染を容易に引き起こす2)。
有 用 性 乳幼児の臨床症状は、遷延性の咳嗽の他、特徴的な吸気性笛声や痙咳発作を示すが、青年・成人患者の臨床症状は非典型のことが多く、マイコプラズマ肺炎などの他の呼吸器感染症との鑑別が必要となる。百日咳菌の検査法は培養検査、血清学的検査、遺伝子検査などがあり、遺伝子検査は早期診断に有効とされている2)。本試薬は、百日咳と同じく感染性咳嗽の原因となる肺炎マイコプラズマの検査で用いられる「ジーンキューブ(R)マイコプラズマ・ニューモニエ」と共通の前処理法であり、同じ検体から、百日咳と肺炎マイコプラズマの同時検査が可能となる。
留意事項 1. 百日咳菌・パラ百日咳菌核酸同時検出は、関連学会が定めるガイドラインの百日咳診断基準における臨床判断例の定義を満たす患者に対して、PCR法により測定した場合に、本区分の「12」百日咳菌核酸検出、肺炎クラミジア核酸検出の所定点数を準用して算定する。
2. D023 12(百日咳菌核酸検出に限る)に掲げる検査の結果について、検査実施日のうちに説明した上で文書により情報を提供した場合は、迅速微生物核酸同定・定量検査加算として、100点を所定点数に加算する。
参考文献 1) 感染症法に基づく医師届出ガイドライン第2版(令和3年12月28日). 国立感染症研究所 (オンライン).
入手先 https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/pertussis/pertussis_guideline_211228.pdf
2) 病原体検出マニュアル百日咳第3.0版(2020年9月改訂). 国立感染症研究所.(オンライン).
入手先 https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/Pertussis20200910.pdf
製品関連URL https://www.toyobo.co.jp/products/bio/gene/genecube_bp/index.html
文責:東洋紡株式会社 /監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 4年 6月1日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規)
腟トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規)
腟トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出
コバス TV/MG
保険点数 350点
製品名 コバス TV/MG
製造販売元 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
主な保険適用対象 治療法選択のために実施する場合:腟トリコモナス感染症を疑う患者、又はマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症を疑う患者
治療効果判定のために実施する場合:腟トリコモナス感染症又はマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症の患者
(留意事項を参照)
薬事承認上の使用目的 尿、腟擦過物又は子宮頸管擦過物中の腟トリコモナスDNA及びマイコプラズマ・ジェニタリウムDNAの検出(腟トリコモナス感染又はマイコプラズマ・ジェニタリウム感染の診断の補助)
測定方法 リアルタイムPCR法
検 体 尿、腟擦過物、子宮頸管擦過物
有 用 性 腟トリコモナス(以下:TV)は世界で最も感染者数の多い性感染症の原因であり、男性では尿道炎、女性では腟内のかゆみやただれを引き起こす原虫である。診断に有用とされている培養法では結果を得るまでに 1週間以上を要することから、TV症に対する高感度かつ迅速な確定診断法の確立が強く望まれている。また、マイコプラズマ・ジェニタリウム(以下:MG)は尿道炎、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患を引き起こす細菌であり、確立した診断法や体外診断用医薬品がなく、薬剤の不適切投与による薬剤耐性菌の増加や、高頻度で症状の持続、再発をきたすことが問題として挙げられる。そのため、臨床性能が担保された体外診断用医薬品によるMG感染症の診断方法の確立がアンメットニーズになっている。
本品は、TVおよびMGを単独および同時に鑑別する事ができる遺伝子検査試薬で、コバス6800システム、コバス8800システム上で使用できる。システムの特⾧として、核酸抽出から検出まで完全自動化されており、コバス6800システムでは8時間あたり384件、コバス8800システムでは8時間あたり960件を測定する事ができるため、大量の検体を効率的に処理することができるため、検査需要に柔軟に対応することが期待される。
臨床試験成績 本品を用いた米国での臨床性能試験において、米国の実臨床で使用されている培養法及び複数の核酸検出法に基づき決定した患者感染状態(Patient Infection Status: PIS)との比較でTV検出の全体一致率98.0%、MG 検出の全体一致率97.1%を示した。
また、国内での臨床性能試験においては、培養法及び核酸検出法との比較で TV 検出の全体一致率97.5%、MG 検出の全体一致率96.4%を示した。以上より、本品は「腟トリコモナス感染又はマイコプラズマジェニタリウム感染の診断の補助」に有用であることが示された。
留意事項 (31)腟トリコモナス核酸及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出は、リアルタイムPCRにより、腟トリコモナス感染症を疑う患者であって、鏡検が陰性又は実施できないもの若しくはマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症を疑う患者に対して治療法選択のために実施した場合及び腟トリコモナス感染症又はマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症の患者に対して治療効果判定のために実施した場合に、本区分の「10」HPV核酸検出の所定点数を準用して算定する。
文責:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会

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