理事長挨拶
山田 俊幸

理事長挨拶

2025年5月23日の理事会において、一般社団法人日本臨床検査専門医会の理事長に選出していただきました。
まず、一般の皆様にご挨拶させていただきます。
臨床検査は、高度に発展した今の医療になくてはならないものです。病院や検査施設で検査を行っているのは国家資格である臨床検査技師の皆さんで、日本では質の高い検査が行われ、日々の診療に大きく貢献しています。ただし、医学生を教育する大学病院や、若い医師が研鑽する規模の施設では、臨床検査を学問として修め、臨床検査を通して診療に参画する検査部門の医師が指導者として必要です。私たち臨床検査専門医は、臨床検査のあらゆる側面を学修し、臨床検査に関連した研究、医学生・臨床検査技師・他の医療職への臨床検査の教育、病院・施設の臨床検査部門の運営・診療業務をこなし、医療の社会に貢献する医師です。ほかの分野に比べると歴史が浅く、人数の少ない集団ですが、医師の働き方が多様化し、少しずつではありますが仲間は増えてきています。このような専門医の存在をぜひ知っていただきたく思います。医療関係の方々にはどうぞ私たちの専門性をご利用ください。一般の方々には臨床検査についての疑問をなんでも私たちにお寄せください。
次に本会会員の皆様に。
本会は1983年に、任意団体「臨床検査医会」として発足しました。この道を志す若い医師たちが中心になって互いに切磋琢磨し、仲間を増やし、存在価値を高める活動をされていました。現在、検体検査管理加算として、常勤の臨床検査担当医師が勤務していると保険診療上のアドバンテージがあることは周知のごとくですが、実はその施策の成立に本会の先達の方々の貢献がありました。現在の臨床検査専門医は、発足当時は認定検査医と呼ばれましたが、専門医に名称を変えたことをきっかけに臨床検査医会も名前を「臨床検査専門医会」に変えました。目的ははっきりしています。親学会である日本臨床検査医学会が臨床検査を学問し、専門医を育成し、臨床検査についての施策を提案し、臨床検査を通して社会貢献することを目指している一方で、本会は臨床検査専門医と臨床検査専門医を目指す医師をとことんサポートすることがミッションです。私の若い頃には、専門医試験対策に特化したセミナー、泊りがけの勉強会などが熱く行われていました。このように学術団体である親学会が少しやり難い泥臭い支援が本会ならではの取り組みと考えます。私たち幹部も努力いたしますが、会員の皆様におかれましても、本会にふさわしい活動のアイデアがありましたらぜひご提案をお願いいたします。
さて、私たちの喫緊の課題は言うまでもなく仲間を増やすことです。認知度を上げるために本会の広報委員会には大変活発に活動いただいております。親学会のワークライフバランス委員会の活動とも連動し、少しずつ効果をあげています。引き続き取り組んでいきたいと思います。
また、専門医の必要性という意味では、親学会や業界全体のミッションかもしれませんが、資格を有する専門医が施設に存在することにアドバンテージを与える(前述の加算に資格要件はない)施策が求められます。簡単ではありませんが、関連団体と連携し実現を目指したいと思います。
臨床検査専門医はいろいろな意味でヘテロな集団です。会員の皆様にはそれぞれのスタイルで活躍されるとともに、この会をホームとして連帯し、臨床検査firstの意識を強くもっていただけたら幸いです。
様々な課題に誠心誠意取り組んでまいります。会員の皆様のご指導、ご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本臨床検査専門医会
理事長 山田 俊幸