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臨床検査医の方へ

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新規保険収載検査

1.ELF スコア 区分:E3(新項目) ケミルミ TIMP-1 2.D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性) クイックチェイサー(R) SARS-CoV-2/RSV 3.D009 腫瘍マーカー 区分:E3(新項目) 26 S2, 3PSA% ミュータスワコー S2,3PSA・i50  4.D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出(定性) イムノエース(R)SARS-CoV-2 Ⅲ/キャピリア(R)SARS-CoV-2 Ⅲ

令和 6年 2月1日より保険適用 ELF スコア 区分:E3(新項目)
1.ELF スコア 区分:E3(新項目)
ケミルミ TIMP-1
保険点数 194点
製品名(製造販売元) ケミルミTIMP-1
製造販売元 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
使用目的 血清中の組織メタロプロテアーゼ阻害物質1(TIMP-1)の測定(肝臓の線維化進展の診断の補助及び慢性肝疾患患者における病態進展予測)
説 明 本品は、1ステップサンドイッチ法による化学発光免疫測定法で、2種のモノクローナル抗体を使用します。検体中の組織メタロプロテアーゼ阻害物質1(TIMP-1)は、標識試薬中のアクリジニウムエステ ル標識抗TIMP-1抗体とFITC標識抗TIMP-1抗体に反応します。さらに固相化試薬中の抗フルオレセイン抗体結合磁性粒子と結合し免疫複合体を形成します。反応液をB/F分離して洗浄後、酸化剤及び酸化補助剤を加えることでアクリジニウムエステルがアルカリ条件下で反応して化学発光します。その発光量を測定し、検体中のTIMP-1濃度に換算します。ELFスコアは、ケミルミヒアルロン酸(承認番号22600AMX00033000)、ケミルミPⅢP(承認番号22600AMX00034000) 及びケミルミTIMP-1(承認番号30500EZX00037000)から次の計算式により計算されます。
ELFスコア=2.278+0.851 In(CHA)+0.751 In(CPⅢP)+0.394 In(CTIMP-1)
留意事項 ア. ELFスコアは、化学発光免疫測定法により、慢性肝疾患患者(疑われる患者を含む。)に対して、肝臓の繊維化進展の診断補助又は経過観察を目的に組織メタロプロテアーゼ阻害物質1(TIMP-1)、プロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)及びヒアルロン酸を測定し、ELFスコアを算出した場合に、半年に1回に限り本区分「48」のオートタキシンを準用して算定する。 イ. 本区分「37」のプロコラーゲン-Ⅲ-ペプチド(P-Ⅲ-P)及び本区分「43」のヒアルロン酸の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。 ウ. 本検査と、本区分「36」のⅣ型コラーゲン、本区分「40」のⅣ型コラーゲン・7S、本区分「48」のMac-2結合蛋白糖 鎖修飾異性体、本区分「48」のオートタキシン又は本区分「55」のサイ
製品情報URL なし
文責:シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 4年 9月1日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)
2.D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存) SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)
クイックチェイサー(R) SARS-CoV-2/RSV
保険点数 420点
製品名 クイックチェイサー(R) SARS-CoV-2/RSV
製造販売元 株式会社ミズホメディー
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はRSウイルス感染の診断の補助)
測定方法 イムノクロマト法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液
測定原理 テストプレート内にセットされているメンブレンフィルター上のそれぞれの感作金コロイド塗布部にはマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体結合金コロイド又はマウスモノクローナル抗RSウイルス抗体結合金コロイドと、確認ライン用のウサギ免疫グロブリン結合金コロイドが塗布されている。また、メンブレンフィルター上のSARS-CoV-2判定ライン部には、マウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体、RSウイルス判定ライン部にはマウスモノクローナル抗RSウイルス抗体が固相化され、それぞれの確認ライン部には確認ライン用の抗ウサギ免疫グロブリン抗体が固相化されている。
試料中にSARS-CoV-2抗原又はRSウイルス抗原が存在する場合、イムノクロマト法の原理により、試料滴下部から移動してきた試料中のSARS-CoV-2抗原はマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体結合金コロイドとRSウイルス抗原はマウスモノクローナル抗RSウイルス抗体結合金コロイドと反応し、さらにマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体又はマウスモノクローナル抗RSウイルス抗体と反応することでSARS-CoV-2判定ライン部、RSウイルス判定ライン部で捕捉される。その結果、それぞれの判定ライン部に金コロイドによる赤紫色のラインが出現する。
また同時にウサギ免疫グロブリン結合金コロイドも移動してそれぞれの確認ライン部の抗ウサギ免疫グロブリン抗体に捕捉されるため、SARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の存在の有無に関わらず確認ライン部に赤紫色のラインが出現する。
なお、本品は目視及び専用機器「スマート QC リーダー(R)」の両方で判定が可能である。
説 明 本品は簡単な操作で迅速にSARS-CoV-2抗原、RSウイルス抗原の検出が可能であり、SARS-CoV-2感染及びRSウイルス感染の診断の補助として有用であると考える。
(臨床性能試験の概要)
<SARS-CoV-2>
本品とRT-PCR法の相関性試験を行った結果、鼻咽頭ぬぐい液では、国内臨床保存検体(175例)において、陽性一致率76.7%(56/73)、陰性一致率100%(102/102)、全体一致率90.3%(158/175)であった。なお、1,600コピー/テスト以上の検体に対する陽性一致率は、96.6%(56/58)、400コピー/テスト以上の検体に対する陽性一致率は、94.9%(56/59)であった。
鼻腔ぬぐい液では、国内臨床保存検体(160例)において、陽性一致率46.8%(22/47)、陰性一致率100%(113/113)、全体一致率84.4%(135/160)であった。なお、1,600コピー/テスト以上の検体に対する陽性一致率は、78.6%(22/28)、400コピー/テスト以上の検体に対する陽性一致率は、68.8%(22/32)であった。
<RSウイルス>
鼻咽頭ぬぐい液を用いて本品と既存承認品(イムノクロマト法)との相関性試験を行った。対照品(1)と比較した場合、臨床検体(127例)において、陽性一致率100%(55/55)、陰性一致率98.6%(71/72)、全体一致率99.2%(126/127)であった。また、対照品(2)と比較した場合、臨床検体(127例)において、陽性一致率100%(56/56)、陰性一致率100%(71/71)、全体一致率100%(127/127)であった。なお、対照品(1)で陰性、本品で陽性であった1例は、RT-PCR法で陽性であった。 鼻腔ぬぐい液へのRSウイルス培養株添加試験を行った結果、陽性一致率100%(50/50)、陰性一致率100%(25/25)であった。
留意事項 ア.SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の検出を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に限り、本区分の「44」単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
イ.COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ.SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)を実施した場合、本区分の「23」RSウイルス抗原定性、SARS-CoV-2抗原検出(定性)及びSARS-CoV-2抗原検出(定量)については、別に算定できない。
製品関連URL https://www.fujirebio.co.jp/products-solutions/lumipulse_test/
文責:株式会社ミズホメディー/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 6年 2月1日より保険適用 D009 腫瘍マーカー 区分:E3(新項目)
26 S2, 3PSA%
3.D009 腫瘍マーカー 区分:E3(新項目) 26 S2, 3PSA%
ミュータスワコー S2,3PSA・i50
保険点数 248点
製品名 ミュータスワコー S2,3PSA・i50
製造販売元 富士フイルム和光純薬株式会社
主な対象 前立腺癌であることが強く疑われる者であって、前立腺特異抗原(PSA)の結果が4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者
主な測定目的 血清中のレクチン反応性による分画比S2,3PSA%の測定(前立腺癌の診断補助)
測定方法 LBA法(定量)
検 体 血清
有 用 性 PSAは糖蛋白質であり、健常者や前立腺肥大症等の良性疾患と前立腺癌ではPSAに結合する糖鎖構造が異なることが知られている。前立腺癌患者の血清中には、そのN型糖鎖の末端シアル酸残基がα(2,6)結合よりもα(2,3)結合でガラクトースに結合したPSA(S2,3PSA)の割合が増加することが明らかになり1)2)、S2,6PSAとS2,3PSAの総和に占めるS2,3PSAの割合(S2,3PSA%)が、前立腺癌と前立腺肥大症の識別に有用であることが示唆されている3)。S2,3PSA%をPSA検査後の2次スクリーニングに用いることで、前立腺癌診断の特異度が向上し、不要な針生検の低減が期待される。
説 明 前立腺癌は、日本人男性において最も罹患率の高い癌であり、高齢化に伴い年々増加傾向にある。前立腺癌の診断は、PSA値を主とするスクリーニング検査、針生検による確定診断、各種画像診断による病期診断という3つの段階を経て完結する4)。一方で、PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎等の良性の前立腺疾患でも高値を示すことがあり、癌でない人が針生検を受ける過剰検査の他、針生検は感染症や排尿障害などの合併症リスクの増加が問題となっている。PSA値のみに基づく前立腺癌検出の特異度は満足できるものではなく、その改善を目的にPSA 密度や遊離型PSA比(PSA F/T比)等が指標として用いられているが、前立腺癌と前立腺肥大症との識別は容易ではない。
このような状況の中、S2,3PSA%の測定法が開発された。ミュータスワコーS2,3PSA・i50(承認番号 30400EZX00061000)は、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するイヌエンジュレクチン(MAL)を用いて、MAL親和性フリーPSA(S2,3PSA)とMAL非親和性フリーPSA(S2,6PSA)の総和に占めるS2,3PSA比(S2,3PSA%)を測定する。 本法の前立腺癌診断における臨床的有用性を評価するため、臨床性能試験を実施した。試験では、良性の前立腺疾患(前立腺肥大症)もしくは前立腺癌と診断され、PSA 50ng/mL 未満であった439症例を対象とし、PSA検査後に本検査を上乗せ検査として実施した場合の診断感度90%における診断特異度を対照品となるPSA F/T比と比較を行った。結果、診断特異度はPSA F/T比: 21.1%に対し、S2,3PSA%: 37.1%であり、本検査の優越性が認められた5)。なお、PSA 4~10ng/mLのグレーゾーンの患者を対象とした2次スクリーニングにおいても、本法の診断感度90%における診断特異度は36.4%となり、前立腺肥大症と前立腺癌の識別に有用であることが示された。これらの臨床性能試験の評価結果から、S2,3PSA%検査は前立腺癌の診断の補助に有用であり、前立腺癌診断の特異度が向上し、不要な針生検の低減が期待できると考えられる。
留意事項 ア.S2,3PSA%は、前立腺癌であることが強く疑われる者であって、前立腺特異抗原(PSA)の結果が4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者に対して、LBA法(定量)により、S2,3PSA%を測定した場合に限り区分番号「D009」腫瘍マーカー「9」前立腺特異抗原(PSA)の2回分を準用して算定する。 イ.本検査は、前立腺癌の診断に当たって実施した場合に、原則として1回を限度として算定する。ただし、前立腺針生検法等により前立腺癌の確定診断がつかない場合においては、3月に1回に限り、3回を限度として算定できる。
ウ.S2,3PSA%と、「9」前立腺特異抗原(PSA)、「16」遊離型PSA比(PSA F/T比)又は「27」プロステートヘルスインデックス(phi)を併せて実施した場合には、いずれか主たるもののみ算定する。
エ.診療報酬明細書の摘要欄に、前立腺特異抗原(PSA)の測定年月日及び測定結果を記載すること。また、本検査を2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその必要性を記載すること。
参考資料 1)Ohyama C, Hosono M, Nitta K, et al. Carbohydrate structure and differential binding of prostate specific antigen to Maackia amurensis lectin between prostate cancer and benign prostate hypertrophy. Glycobiology. 2004;14:671-9.
2)Tajiri M, Ohyama C, Wada Y. Oligosaccharide profiles of the prostate specific antigen in free and complexed forms from the prostate cancer patient serum and in seminal plasma:a glycopeptide approach. Glycobiology. 2008;18:2-8.
3)Yoneyama T, Yamamoto H, Yoneyama MS, et al. Characteristics of α2,3-sialyl N-glycosylated PSA as a biomarker for clinically significant prostate cancer in men with elevated PSA level. Prostate. 2021;81:1411-27.
4)日本泌尿器科学会編. 前立腺癌診療ガイドライン 2023年版. 株式会社メディカルレビュー社.
5)米山 徹, 大山 力. バイオマーカー開発:前立腺癌診断マーカーS2,3PSA%検査の開発経緯とその臨床有用性. 日本臨床. 2023;81(6):58-64.
製品関連URL https://diagnostic-wako.fujifilm.com/product/meneki/syuyo.html
文責:富士フイルム和光純薬株式会社/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会
令和 5年 11月2日より保険適用 D012感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出(定性)
4.D012 感染症免疫学的検査 区分:E1(既存)SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出(定性)
イムノエース(R)SARS-CoV-2 Ⅲ/キャピリア(R)SARS-CoV-2 Ⅲ
保険点数 300点
※2024年6月から150点
製品名 イムノエース(R)SARS-CoV-2 Ⅲ/キャピリア(R)SARS-CoV-2 Ⅲ
製造販売元 株式会社タウンズ
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)
有 用 性 本品は特別な装置類を必要とせず、簡単な操作により約10分でSARS-CoV-2抗原の検出が可能である。
測定方法 免疫クロマトグラフ法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液
測定原理 イムノエース(R)SARS-CoV-2 Ⅲ/キャピリア(R)SARS-CoV-2 Ⅲの測定原理はSARS-CoV-2抗原を認識するモノクローナル抗体を用いた免疫クロマトグラフ法である。テストプレートの試料滴下部に試料を滴下すると白金-金コロイド標識抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(ウサギ)(以下、白金-金コロイド標識抗SARS-CoV-2抗体と記す)が溶解し、試料中のSARS-CoV-2抗原と免疫複合体を形成する。この免疫複合体は展開部を毛細管現象により移動し、展開部に固定化された抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(ウサギ)に捕捉され、判定部[T]に白金-金コロイドによる黒色のラインを形成する。本キットはこの黒色のラインを目視で確認し、試料中のSARS-CoV-2抗原の存在の有無を判定する。
一方、試料中のSARS-CoV-2抗原の存在の有無に関わらず、余剰の白金-金コロイド標識抗SARS-CoV-2抗体が展開部をさらに移動し、展開部に固定化された抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体(ヤギ)に捕捉され、判定部[C]に白金-金コロイドによる黒色のラインを形成する。これは白金-金コロイド標識抗SARS-CoV-2抗体が正常に展開部を移動したことを示す。
説 明 国立感染症研究所の資料によると2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において原因不明の肺炎患者の発生が確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、世界的流行が引き起こった。 WHOは新型のコロナウイルスが原因であることを発表し、2020年2月11日に国際ウイルス分類委員会において、この新型のコロナウイルスはSARS-CoV-2と命名された1)。
2023年5月、WHOにより新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はPHEICに該当しないことが宣言され、日本でも新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)から5類感染症に移行されたが、 COVID-19は未だ季節を問わず繰り返し流行しており、早期診断をするにはSARS-CoV-2抗原を検出する高感度で簡便な検査の実施が必要である。本品は核酸検出検査2)3)とは異なり、特別な装置類を全く必要とせず、簡単な操作で迅速なSARS-CoV-2抗原の検出が可能であり、SARS-CoV-2感染の診断の補助として有用であると考えている。
臨床性能試験の概要 (1) 鼻咽頭ぬぐい液を用いたRT-PCR法との相関性試験成績において、陽性一致率 93.3%(60例中56例)、陰性一致率 97.8% (45例中44例)、全体一致率 95.2%(105例中100例)であった。鼻咽頭ぬぐい液のうち、RT-PCR法陽性となった検体のウイルス量と本品の陽性一致率は、101未満コピー/テストで20.0%(5例中1例)、102~103コピー/テストで100% (3例中3例)、103~104コピー/テストで100%(3例中3例)、104~105コピー/テストで100%(9例中9例)、105~106コピー/テストで100%(10例中10例)、106以上コピー/テストで100%(30例中30例)であった。
(2) 鼻腔ぬぐい液を用いた本品とRT-PCR法との相関性試験成績において、陽性一致率 82.0%(50例中41例)、陰性一致率 98.2%(57例中56例)、全体一致率 90.7%(107例中97例)であった。鼻腔ぬぐい液のうち、RT-PCR法陽性となった検体のウイルス量と本品の陽性一致率は、101未満コピー/テストで0.0%(7例中0例)、101~102コピー/テストで75.0%(4例中3例)、102~103コピー/テストで100%(3例中3例)、103~104コピー/テストで85.7%(7例中6例)、104~105コピー/テストで100%(10例中10例)、105~106コピー/テストで100%(15例中15例)、106以上コピー/テストで100%(4例中4例)であった。
留意事項 1. 本品付属の検体抽出液はイムノエースSARS-CoV-2 Ⅱ、イムノエースSARS-CoV-2/Flu、イムノエースFlu、イムノエース アデノ、イムノエースRSV Neo、イムノエースhMPV、イムノエースFlu/RSVで共通して使用可能である。
2. 本品付属の検体抽出液で抽出した鼻咽頭ぬぐい液はイムノエースSARS-CoV-2 Ⅱ、イムノエースSARS-CoV-2/Flu、イムノエースFlu、イムノエースアデノ、イムノエースRSV Neo、イムノエースhMPV、イムノエースFlu/RSVで共通して使用可能である。
3. 本品付属の検体抽出液で抽出した鼻腔ぬぐい液はイムノエースSARS-CoV-2 Ⅱ、イムノエースSARS-CoV-2/Flu、イムノエースFluにも使用可能である。 4. 本品の判定が陰性であっても、SARS-CoV-2感染を否定するものではない。
5. 検査に用いる検体については、厚生労働省より発表されている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針4)」を参照すること。 6. 診断は厚生労働省より発表されている医療機関・検査機関向けの最新情報を参照し、本製品による検査結果のみで行わず、臨床症状も含めて総合的に判断すること。
7. 鼻腔ぬぐい液を検体とした場合、鼻咽頭ぬぐい液に比べ検出感度が低い傾向が認められているため、検体の採取に関して留意すること。
8. 検体採取及び取扱いについては、必要なバイオハザード対策を講じること。
参考資料 1)World Health Organization. "Naming the coronavirus disease (COVID-19) and the virus that causes it". https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/technical-guidance/(参照 2024-05-20)
2)令和2年3月19日. 国立感染症研究所. 病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.9.1.
3)令和2年4月17日. 国立感染症研究所. 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査法の運用についてのガイドライン第3版.
4)病原体検査の指針検討委員会. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第6版).
製品関連URL https://www.tauns.co.jp/product/sars-cov-2-3/
文責:株式会社タウンズ/監修:日本臨床検査医学会保険診療委員会

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