サブスペシャリティーとしての臨床検査 | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
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サブスペシャリティーとしての臨床検査

慶應義塾大学医学部 臨床検査医学 上蓑義典

検査医学教室への移籍

2016年が始まる頃、当時の感染症の教授から検査医学教室への移籍を提案されました。

感染症内科医として、症例のコンサルテーションや感染制御、外来などの仕事を中心に行ってきた私にとって、検査室の医師という何をするのかわからないポジションへの移籍は非常に不安でした。
特に私が担当する微生物検査は医師の検査診断が必要とされない領域でしたので、「仕事もせずに給料をもらう」という、立場になってしまうのだけは避けたいなと思っていました。

ところが検査医学教室の教授にご相談したところ、感染制御部門と検査室を結ぶ橋渡しとして機能してほしいとのことでしたので、自分の中で、サブスペシャリティーとして検査医学に詳しい感染症医を目指しここまでやってきました。

実務に当たってみて・・・

2016年4月から実際に、午前中を中心に感染症内科医として症例のコンサルテーションや外来などをこなしつつ、午後は検査室で過ごす生活を続けています。検査室で何をしているかというと、微生物のことは技師さんに到底太刀打ちできませんので、感染症医目線で不要と思われる検査を合理化したり、逆に、これは必要だと思う新しい検査を積極的に導入したりとシステムづくりの仕事をしています。特に、検査室は顧客である医師に対するサービス業と考えて、わかりやすい報告書と迅速かつ効率的な検出に重点を置き、頭の中の理想をひとつずつ実現できるように頑張っています。

そうした中で、徐々に検査法にも詳しくなり、感染症医としての幅も広がってきたように思いますし、検査室の仕組みや人もわかってきたのでそれを生かした臨床研究も行うことができるようになってきました。また検査室全体のシステム構築として、パニック値報告のシステム改良といった大きな仕事にも少し関わることができました。こういった機会を与え、そしてのびのびとやりたいことを自分の好きなようにやるのを見守り支えてくださっている検査医学と感染症学それぞれの教授には心より感謝しています。

結果として、感染症内科だけをやっていたころに比べ、より忙しく充実した毎日を過ごせていますし、実際どの程度役に立っているかはわかりませんが、より迅速でバラエティーに富んだ検査体制を構築することで、病院そして患者さんの利益につなげられているのではないかと自分としては思っています。

スペシャリティーの追求

臨床検査医学はジェネラリストやワークライフバランスの追求という側面が強調されがちですが、そればかりではないかと思います。私自身は、検査というシステムには理解はあるものの、ほかの分野の検査のことは全く詳しくありませんし、あくまでも感染症という自分のスペシャリティーの追求と考え仕事しています。その中で、自分としての強み、アイデンティティーをつくる1つの手段として、専門医も取得しました。

いろいろな考え方があるかと思いますが、すでにスペシャリティーをお持ちの先生方で、それを強化したいと考えている先生方にとっても、そのスペシャリティーに関する検査診断というキャリアを選ぶというのも1つポジティブな方法にはなるかと思います。そして、決して人が多い分野ではないので、ある程度自主性をもってやりたいことを追求できる点がいいところかなと思っています。

上蓑義典先生のプロフィールはコチラ

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