カルプロテクチン(糞便) | 日本臨床検査専門医会|臨床検査医になるために
  1. HOME
  2. 臨床検査医の方へ
  3. 新規保険収載検査
  4. カルプロテクチン(糞便)

臨床検査医の方へ

TOPICS

新規保険収載検査

カルプロテクチン(糞便)

平成 29 年 12 月より保険適用 D014 血液化学検査 区分:E3(改良項目)
厚生労働省告示第 43 号(平成 30 年 3 月 5 日)により区分 D003 が決定
カルプロテクチン(糞便)
保険点数 276 点
製品名 エリア カルプロテクチン 2
製造販売元 サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社
主な対象 慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)が疑われる患者及び潰瘍性大腸炎の患者
主な測定目的 糞便中のカルプロテクチンの測定(炎症性腸疾患の診断補助及び潰瘍性大腸炎の病態把握の補助)
測定方法 蛍光酵素免疫測定法(FEIA 法)
有 用 性 本検査は,慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)を診断する際又は潰瘍性大腸炎の病態を把握する際に,下部消化管内視鏡検査(以下,内視鏡検査)を実施するか否かの判断の補助となる
特 徴 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:以下 IBD)は腸管の慢性炎症を特徴とする疾患群であり,主に潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:以下 UC)およびクローン病(Crohn’s Disease:以下 CD)の 2 疾患を指す。IBD は下痢・腹痛が主な症状で,炎症を有する活動期と炎症が治まっている寛解期を繰り返す。IBD の治療目標として‘内視鏡的な粘膜治癒が得られ,維持されること’があげられており,本邦ではこうした腸管炎症度の評価に内視鏡検査が広く使用されている。また UC では診断後の病態把握のモニタリングにも内視鏡検査が用いられている。しかし,内視鏡検査は侵襲性が高く患者負担が大きいことから,頻回に施行することには限界がある。そのため安全かつ簡便に腸管の炎症を評価できる検査法が求められている。
近年欧米では内視鏡検査の頻度を減らす方法として,便中カルプロテクチン検査が広く一般臨床で利用されている。カルプロテクチンは,白血球の一成分であり,好中球の細胞質成分の 60%を占めると言われている。腸管に炎症が起こると,白血球が浸潤し管腔に移行するため,糞便中の白血球由来成分であるカルプロテクチン量が高値となる。一方で,過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)などの,症状は IBD と類似しているが炎症等の器質的疾患のない機能性腸疾患では糞便中カルプロテクチン値は低値となる。この性質を利用して,糞便中カルプロテクチンの測定で腸管の炎症を侵襲性なく把握することが可能となる。エリア カルプロテクチン 2 は,この糞便中カルプロテクチンを測定することで,IBD の診断の補助ならびに UC の病態把握の補助を 1 製品で実現する検査薬として,国内臨床性能試験が行われ,その有用性が示された。
臨床性能試験結果

診断補助:糞便中のカルプロテクチン濃度 50 mg/kg を参考基準値としたとき,IBS 群 35 例とIBD 群 91 例において,ROC 解析による曲線下面積は 0.997 が得られ,臨床的感度 100%,臨床的特異度 74%,陽性的中率 91%及び陰性的中率 100%と良好な成績が示された。この結果から本品は IBD の診断の補助に有用であることが示された。


病態把握の補助:糞便中のカルプロテクチン濃度 300 mg/kg を参考基準値としたとき,UC 内視鏡的非炎症群(Mayo 内視鏡サブスコア 0 点もしくは 1 点)81 例と,UC 内視鏡的炎症群(Mayo 内視鏡サブスコア 2 点以上) 69 例において,ROC 解析による曲線下面積は 0.930 が得られ,臨床的感度 97%,臨床的特異度 64%,陽性的中率 70%及び陰性的中率 96%の結果が得られている。この結果から本品は UC の活動性の把握に有用であることが示された。 

算定基準

診断補助:本検査は,慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助を目的として,FEIA 法により測定した場合に算定できる。ただし,腸管感染症が否定され,下痢,腹痛や体重減少などの症状が 3月以上持続する患者であって,肉眼的血便が認められない患者において,慢性的な炎症性腸疾患が疑われる場合の内視鏡前の補助検査として実施すること。また,その要旨を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。


病態把握の補助:本検査は,潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として,ELISA 法又は FEIA 法により測定した場合に, 3 月に 1 回を限度として算定できる。ただし,医学的な必要性から,病態把握を目的として,本検査を 3 月に 2 回以上行う場合(1 月に 1 回に限る)には,その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

※慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助又は潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として,本検査及び区分番号「D313」大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は,主たるもののみ算定する。 

PDF_icon PDF版ダウンロード
製品関連URL -
※製品情報のホームページは仕様変更などによりリンク切れとなることもあります.

関連記事