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新規保険収載検査

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令和 4年 10月28日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規項目)
SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規項目) SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出
エリートMGB SARS-CoV-2 PLUS PCR検出キット
保険点数 700点
製品名 エリートMGB SARS-CoV-2 PLUS PCR検出キット
製造販売元 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2 RNA、A型及びB型インフルエンザウイルスRNA並びにRSウイルス
RNAの検出(SARS-CoV-2感染、インフルエンザウイルス感染又はRSウイルス感染の診断補助)
測定方法 以下の遺伝子に対する蛍光標識プローブを用いたRT-PCR法による検出
・SARS-CoV-2 ORF1ab遺伝子およびORF8遺伝子
・A型インフルエンザウイルス Matrix protein 遺伝子
・B型インフルエンザウイルス Matrix protein 遺伝子
・RSウイルス matrix protein 遺伝子
検 体 鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液
有 用 性 本製品は、SARS-CoV-2、インフルエンザウイルス(AおよびB)、RSウイルスを同時に検出することができ、同様の臨床症状の患者様に対して一回の検査で鑑別が可能である。これにより、早期治療開始、検体採取および検査回数軽減、診察時間の短縮により、医療従事者および患者様の負担軽減につながる。
全自動遺伝子解析装置エリート インジーニアスおよび、ジーンリード エイトを用いることで核酸抽出から増幅、判定までのすべての検査工程を自動で行うことができ、簡便な操作方法で安全に短時間で実施可能である。
臨床性能試験の概要 1.SARS-CoV-2
鼻咽頭ぬぐい液由来の陽性検体50例および陰性検体160例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率100%、陰性一致率98.75%であった。
また、鼻腔ぬぐい液由来の陽性検体20例および陰性検体39例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率100%、陰性一致率100%であった。
2.A型インフルエンザウイルス
鼻咽頭ぬぐい液由来の陽性検体30例および陰性検体180例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率 100%、陰性一致率 100%であった。
3.B型インフルエンザウイルス
鼻咽頭ぬぐい液由来の陽性検体23例および陰性検体187例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率91.30%、陰性一致率98.40%であった。
4.RSウイルス
鼻咽頭ぬぐい液由来の陽性検体50例および陰性検体160例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率100%、陰性一致率100%であった。
以上より本製品は既存法と同等の性能を有していることが示された。
留意事項 ア.SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出は、COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、SARS-CoV-2、インフルエンザウイルス及びRSウイルスの核酸検出を目的として薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いて、PCR法(定性)により、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2、インフルエンザウイルス及びRSウイルスの核酸検出を同時に行った場合に、検査の委託の有無にかかわらず、本区分の「10」HPV核酸検出の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。なお、採取した検体を、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託により実施する場合は、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス2013-2014版」に記載されたカテゴリーBの感染性物質の規定に従うこと。
イ.COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかず、本検査を再度実施した場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ウ.COVID-19の治療を目的として入院している者に対し、退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」(令和3年2月25日健感発0225第1号)の「第1退院に関する基準」に基づいて実施した場合に限り、1回の検査につき上記のように合算した点数を算定する。なお、検査を実施した日時及びその結果を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
エ.SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸
同時検出を実施した場合、本区分「13」のインフルエンザ核酸検出、SARS-CoV-2 核酸検出、SARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出、SARS-CoV-2・RSウイルス核酸同時検出及びウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-を含む。)については、別に算定できない。
オ.本検査を算定するに当たっては、本区分の「10」の「注」に定める規定は適用しない。
製品関連URL https://www.pss.co.jp/product/reagent/elite-mgb-sars-cov-2-plus.html
文責:積水メディカル株式会社 / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 4年 10月6日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目) SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
LeaDEA VIASURE SARS-CoV-2 PCRキット
保険点数 700点
製品名 LeaDEA VIASURE SARS-CoV-2 PCRキット
製造販売元 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
使用目的 生体試料中のSARS-CoV-2 RNA検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)
測定方法 SARS-CoV-2 ORF1ab遺伝子およびN遺伝子の蛍光標識プローブを用いたRT-PCR法による検出
有 用 性 本製品は必要試薬が1テスト分ずつプレパックされている。試薬チューブを装置にセットするだけで測定の準備が完了するため操作方法も簡便である。また、試薬の調製が不要であるため、調製ミスやコンタミネーションを防ぐことができる。核酸抽出から増幅、判定まですべての工程は遺伝子解析装置ジーンリード エイトにより全自動で行われ、簡便な操作方法で安全に、また短時間で高精度な測定を行うことが可能である。
臨床性能試験の概要 本品の臨床性能評価を、鼻咽頭ぬぐい液由来の陽性検体38例および陰性検体139例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った。結果陽性一致率100%、陰性一致率99.28%であった。
また、唾液検体由来の陽性検体31例および陰性検体161例を用いて感染研法に基づくPCR検査法との比較試験を行った結果、陽性一致率、陰性一致率ともに100%であった。
以上より本製品は既存法と同等の性能を有していることが示された。
文責:プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 4年 11月8日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス核酸同時検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E1(既存項目)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出
TRexGene(R)SARS-CoV-2&FluA/B検出キット
保険点数 700点
製品名 TRexGene(R)SARS-CoV-2&FluA/B検出キット
製造販売元 東洋紡株式会社
使用目的 生体試料中のSARS-CoV-2 RNA、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のA型及びB型インフルエンザウイルスRNAの検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断補助)
測定方法 SARS-CoV-2、A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスのRNAの一部を逆転写酵素によりcDNAに変換し、続いてDNAポリメラーゼによってPCR増幅を行う、one-step RT-PCR法により、標的遺伝子の検出を行う。本品に用いる蛍光標識プローブは5’側を蛍光物質で、3’側をクエンチャーで修飾されており、通常、蛍光標識プローブの蛍光はクエンチャーによって抑制されている。増幅工程において、DNAポリメラーゼの持つ5’-3’エキソヌクレアーゼ活性により相補的な配列に結合した蛍光標識プローブが分解され、クエンチャーによる抑制が解除されることで蛍光を発する。この蛍光量の変化を利用して、SARS-CoV-2、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの検出を同時に行う。SARS-CoV-2の検出には、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)発行「2019-Novel Coronavirus(2019-nCoV)Real-time rRT-PCR Panel Primers and Probes」(Effective: 24 Jan 2020)及び国立感染症研究所発行「病原体検出マニュアル2019-nCoV Ver. 2. 9. 1」に記載されたプライマー・プローブを、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス検出用のプライマー・プローブは、CDC発行「Research Use Only CDC Influenza SARS-CoV-2(Flu SC2)Multiplex Assay Primers and Probes」に記載されたプライマー・プローブを使用している。
本品には内部コントロール(IC)が含まれており、PCRの増幅工程が正常に実施されたことを確認できる。
有 用 性 本試薬は1試薬で、SARS-CoV-2とA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの検出が可能なため、同じ検体(鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中)から検査可能であり、患者の負担が軽減できる。また、検体由来の阻害物質による影響を受けにくい反応組成を採用し、核酸の簡易抽出(RNA精製なし)でSARS-CoV-2とA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの検出が可能である。
説 明 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2019年12月、中華人民共和国において初めて確認され、2020年3月11日にWHO(世界保健機関)よりパンデミックの状態にあると表明されたウイルスである。本ウイルスによる感染症(COVID-19)は感染拡大と収束を繰り返している。冬季に流行する季節性インフルエンザとCOVID-19は、臨床症状による鑑別が難しいとされる。
留意事項 (30)SARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出は、COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、SARS-CoV-2及びインフルエンザウイルスの核酸検出を目的として薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いて、PCR法(定性)により、唾液、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2及びインフルエンザウイルスの核酸検出を同時に行った場合に、検査の委託の有無にかかわらず、本区分の「10」HPV核酸検出の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。なお、採取した検体を、検体採取を行った保険医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託により実施する場合は、国立感染症研究所が作成した「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス2013-2014版」に記載されたカテゴリーBの感染性物質の規定に従うこと。
製品関連URL https://www.toyobo.co.jp/products/bio/gene/trex_cov2_flu/index.html
文責:東洋紡株式会社 / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 4年 11月1日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新項目)
ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出
スマートジーン(R)H.pylori G
保険点数 360点
製品名 スマートジーン(R) H.pylori G
製造販売元 株式会社ミズホメディー
使用目的 蛍光標識プローブ(Qプローブ)を用いたPCR法によるヘリコバクター・ピロリDNA、23S rRNA遺伝子ドメインV領域におけるクラリスロマイシンの薬剤感受性に関する変異の検出
検 体 胃内視鏡廃液
測定原理 テストカートリッジ内には、KOD exo(-)DNA合成酵素、基質(デオキシアデノシン三リン酸、デオキシチミジン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、デオキシシチジン三リン酸)、ヘリコバクター・ピロリDNAの23S rRNA遺伝子領域に結合するプライマーセット(ヘリコバクター・ピロリ特異的フォワードプライマー、ヘリコバクター・ピロリ特異的リバースプライマー)、23S rRNA遺伝子上のクラリスロマイシンの薬剤感受性に関する2142、2143位を含む遺伝子領域に結合するヘリコバクター・ピロリ特異的Qプローブが含有されている。
説 明 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)は、胃粘膜に感染して胃炎を惹起す。さらに、胃粘膜の慢性炎症を背景に、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胃MALTリンパ腫などの様々な上部消化管疾患の併発を引き起こすことが知られている。
ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断には、内視鏡による生検組織を必要とする迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法と、内視鏡による生検組織を必要としない尿素呼気試験、抗H.pylori抗体検査、便中抗原検査が使用されている。クラリスロマイシンに対する薬剤感受性の有無の検査は、培養法において薬剤感受性試験を実施することで可能だが、検査期間に数日を必要とする。
本品は、内視鏡検査時に非侵襲的に得られる「胃内視鏡廃液」を検体とし、簡易な測定操作方法で短時間にヘリコ バクター・ピロリDNAの検出及びクラリスロマイシンの薬剤感受性に関与する23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異の検出が可能な検査試薬である。
既存のヘリコバクター・ピロリの感染診断法を対照に評価を行った結果、尿素呼気試験との比較においては、陽性一致率92.1%(58/63)、陰性一致率97.0%(98/101)、全体一致率95.1%(156/164)であった。
また、便中抗原検査との比較においては、陽性一致率98.2%(55/56)、陰性一致率95.0%(96/101)、全体一致 率96.2%(151/157)であった。
次に、クラリスロマイシンの薬剤感受性に関与する23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異の検出について評価を行った結果、感受性試験との比較においては、全体一致率96.6%(57/59)であった。
また、サンガー法との比較においては、全体一致率は90.2%(55/61)であった。
製品関連URL https://www.mizuho-m.co.jp/product/product_details/000813.php?iryou=1
文責:株式会社ミズホメディー / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 4年 12月26日より保険適用 D012 感染症免疫学的検査(50) 区分:E1(既存)
SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
D012 感染症免疫学的検査(50) 区分:E1(既存)SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)
クイック チェイサー(R)Auto SARS-CoV-2/Flu
保険点数 420点
製品名 クイック チェイサー(R) Auto SARS-CoV-2/Flu
製造販売元 株式会社ミズホメディー
使用目的 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助)
測定方法 イムノクロマト法
検 体 鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液
測定原理 テストカートリッジ内のメンブレンフィルター上の判定ライン部(SARS-CoV-2)にはマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体、判定ライン部(インフルエンザウイルス)にはマウスモノクローナル抗A型インフルエンザウイルス抗体及びマウスモノクローナル抗B型インフルエンザウイルス抗体が固相化されており、また標識粒子塗布部にはマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体結合金コロイド、マウスモノクローナル抗A型インフルエンザウイルス抗体及びマウスモノクローナル抗B型インフルエンザウイルス抗体結合金コロイドが塗布されています。さらに、還元液(硫酸アンモニウム鉄)及び増感液(硝酸銀)がそれぞれ水溶液としてセットされています。
試料中のSARS-CoV-2抗原、A型又はB型インフルエンザウイルス抗原は標識粒子塗布部に塗布されたそれぞれに対応 する成分と反応して免疫複合体を形成します。イムノクロマト法の原理により、移動したこの複合体が固相化されているマウスモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体、又はマウスモノクローナル抗A型インフルエンザウイルス抗体、マウスモノクローナル抗B型インフルエンザウイルス抗体にそれぞれ捕捉され、3者のサンドイッチ複合体を形成します。また、SARS-CoV-2抗原、A型又はB型インフルエンザウイルス抗原の有無に関わらず、各標識粒子が確認ライン部に固相化された抗マウス免疫グロブリンポリクローナル抗体と結合します。引き続き硫酸アンモニウム鉄、硝酸銀を添加して標識粒子を増感することでラインがより強く出現し、試料中のSARS-CoV-2抗原、A型又はB型インフルエンザウイルス抗原を検出することができます。専用機器により、判定ライン部(SARS-CoV-2)又は判定ライン部(インフルエンザウイルス)と確認ライン部に出現したラインを検出して判定します。
説 明 COVID-19とインフルエンザを臨床症状のみで鑑別することは困難であり、インフルエンザ流行期には季節性インフルエンザとCOVID-19の両方の検査を行うことが推奨されている。 本品はイムノクロマト法と写真の現像技術を組み合わせた増幅反応により、標識に用いる金コロイド粒子を増幅し検出感度を向上した製品で、試薬を内蔵した専用カートリッジと、判定を自動で行う小型装置で構成されている。試料をカートリッジに滴下して装置にセットするだけの1ステップ操作で、迅速にSARS-CoV-2抗原、A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の同時検出ができる高感度迅速診断システムである。
性能試験の概要
<SARS-CoV-2>
RT-PCR法と本製品の相関性試験を行った結果、鼻咽頭ぬぐい液では、国内臨床保存検体(175例)において、陽性一致率80.0%(56/70)、陰性一致率100%(105/105)、全体一致率92.0%(161/175)であった。
鼻腔ぬぐい液では、国内臨床保存検体(53例)において、陽性一致率77.3%(17/22)、陰性一致率100%(31/31)、全体一致率90.6%(48/53)であった。
また、鼻咽頭ぬぐい液を用いた既承認品との相関性試験成績は、国内臨床保存検体(175例)において、陽性一致率100%(55/55)、陰性一致率99.2%(119/120)、全体一致率99.4%(174/175)であった。
<インフルエンザ>
インフルエンザウイルス培養株添加試験を行った結果、鼻咽頭ぬぐい液では、A型陽性一致率100%(60/60)、B型陽性一致率100%(30/30)、陰性一致率100%(30/30)であった。
鼻腔ぬぐい液では、A型陽性一致率100%(60/60)、B型陽性一致率100%(30/30)、陰性一致率100%(30/30)であった。
留意事項 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)は、当該検査キットが薬事承認された際の検体採取方法で採取された検体を用いて、SARS-CoV-2抗原及びインフルエンザウイルス抗原の検出を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に限り、「44」単純ヘルペスウイルス抗原定性(角膜)の所定点数2回分を合算した点数を準用して算定する。ただし、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
COVID-19の患者であることが疑われる者に対し、診断を目的として本検査を実施した場合は、診断の確定までの間に、上記のように合算した点数を1回に限り算定する。
ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、上記のように合算した点数をさらに1回に限り算定できる。なお、本検査が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
なお、SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性)を実施した場合、本区分「22」のインフルエンザウイルス抗原定性、SARS-CoV-2抗原検出(定性)及びSARS-CoV-2抗原検出(定量)については、別に算定できない。
製品関連URL https://www.mizuho-m.co.jp/product/product_details/000827.php
文責:株式会社ミズホメディー / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会
令和 5年 2月1日より保険適用 D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規)
結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出
D023 微生物核酸同定・定量検査 区分:E3(新規)結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出
コバスMTB-RIF/INH
保険点数 963点
製品名 コバスMTB-RIF/INH
製造販売元 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
主な保険適用対象 塗抹検査又はその他の検査所見で結核菌感染の診断が確定した患者(留意事項を参照)
薬事承認上の使用目的 喀痰中の結核菌群rpoB遺伝子、katG遺伝子及びinhA遺伝子中の変異の検出(リファンピシン耐性結核菌感染又はイソニアジド耐性結核菌感染の診断補助)
測定方法 リアルタイムPCR法
検 体 喀痰
有 用 性 本検査は、結核治療の主軸となる薬剤である、リファンピシン及びイソニアジドに対する耐性の有無を同時に、かつ培養法よりも1か月以上短い期間で判定可能な検査となっている。標準治療における主要2薬剤の耐性有無を判定でき、適切な薬剤への切り替えを早期に実施することで、効果的な治療と予後の改善が期待できる。
本品は、リファンピシンおよびイソニアジドの耐性遺伝子を単独および同時に鑑別する事ができる遺伝子検査試薬で、コバス6800システム、コバス8800システム上で使用可能である。システムの特⾧として、核酸抽出から検出まで完全自動化されており、コバス6800システムでは8時間あたり384件、コバス8800システムでは8時間あたり960件の測定が可能である。
大量の検体を効率的に処理することができるため、検査需要に柔軟に対応することが期待される。
臨床試験成績 本品を用いた海外での臨床性能試験において、本品の薬剤感受性試験に対する臨床的感度および特異度を検討した結果、リファンピシン耐性菌株の臨床的感度は100%、臨床的特異度は99.5%、イソニアジド耐性菌株の臨床的感度は94.6%、臨床的特異度は99.5%を示した。
また、日本国内で分離されたリファンピシン/イソニアジド両耐性菌株、リファンピシン単独耐性菌株及びイソニアジド単独耐性菌株を、結核菌群陰性喀痰にスパイクして作製した検体を用いて、培養法による薬剤感受性試験と比較した結果、リファンピシン耐性菌株検出の全体一致率92.4%、イソニアジド耐性菌株検出の全体一致率79.8%を示した。
以上より、本品は「リファンピシン耐性結核菌感染又はイソニアジド耐性結核菌感染の診断補助」に有用であることが示された。
留意事項 (37)結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出ア. 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出は、塗抹検査又はその他の検査所見で結核菌感染の診断が確定した患者を対象として、薬剤耐性結核菌感染を疑う場合に、本区分「20」ウイルス・細菌核酸多項目同時検出の所定点数を準用して算定する。
イ. 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出と本区分「19」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出を併用した場合は、主たるもののみ算定する。
文責:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 / 監修:日本臨床検査医学会臨床検査点数委員会

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