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新規保険収載検査

カルプロテクチン(糞便)

このたび厚生労働省保険局医療課長発通知(平成 29 年 5 月 31 日付. 保医発 0531 第 3 号)により、
カルプロテクチン(糞便)が新規に保険収載項目として追加され、平成 29 年 6 月 1 日から適用になりました。
平成 29 年 6 月より保険適用 準用区分先 D014 区分 E3(新項目)
カルプロテクチン(糞便)
保険点数 276点
製品名 カルプロテクチン モチダ
製造販売元 三洋化成工業株式会社
販 売 持田製薬株式会社
主な対象 潰瘍性大腸炎の患者
主な測定目的 糞便中のカルプロテクチンの測定(潰瘍性大腸炎の病態把握の補助)
測定方法 酵素免疫測定法(ELISA 法)
有用性 糞便中のカルプロテクチン量を測定することで、潰瘍性大腸炎の活動性を評価できる。
特 徴

潰瘍性大腸炎は、主として大腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の難病である。近年の患者数は増加の一途をたどり平成 26 年には 170,781 人へと達しているが、原因の解明には至っておらず、根本的な治療方法も確立されていない。また根治には至らないことも本疾患の特徴であり、症状が収まっている状態(寛解)と再燃を繰り返すことが知られている。


従来、潰瘍性大腸炎の病態把握の手法としては、血便や排便回数といった臨床症状のスコア化による方法と、大腸内視鏡検査による炎症部位の程度や広がりをスコア化する方法が行われてきた。しかしながら臨床症状のスコア化は実際の炎症状態と相関しない場合が報告されており、また大腸内視鏡検査は侵襲検査である点から、患者への負担が少なくて客観性のある非侵襲検査が求められてきた。


カルプロテクチンは、主に好中球より分泌されるカルシウム結合タンパクである。潰瘍性大腸炎においては、炎症部位への細菌や真菌類の侵入を防止すべく誘導された好中球より腸管腔へ放出され、便と共に体外へ排出される。従って便中のカルプロテクチン濃度は腸管の炎症の程度を反映することから、潰瘍性大腸炎の病態把握に有用であることが国内臨床性能試験にて示された。

とりわけ糞便中のカルプロテクチン濃度 240μg/g を参考基準値とし、また大腸内視鏡検査におけるDisease Activity Index 内視鏡スコア 1 以下を内視鏡的寛解としたとき、内視鏡的寛解群 37 例と内視鏡的非寛解群 30 例において、ROC 解析による曲線下面積は 0.896 が得られ、感度 0.967 及び特異度 0.649、陽性的中率 69.0%及び陰性的中率 96.0%、判定一致率 79.1%の結果が得られている。この結果から本品は内視鏡的寛解を高率に判定できることから、患者が寛解状態か否かの判断の補助が可能となる。


なお本検査は、潰瘍性大腸炎の患者に対して、病態把握を目的として、ELISA 法により測定した場合に、3 月に 1 回を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から、本検査を 3 月に 2 回以上行う場合(1 月に 1 回に限る。)には、その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載する。また、本検査及び区分番号「D313」大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。

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